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鉄道の赤字路線は廃止した方が良いの?

感染症による生活スタイルの変化や人口減少が進んでいることから鉄道の利用者が減っています。とりわけローカル線では利益を出すのが難しく、赤字路線を多数抱えています。国土交通省の調査では2000年以降、日本全国でローカル線の廃止が相次いでいて、2022年2月時点で45路線が廃止となっています。やはり赤字からの脱却が難しいのであれば廃止はやむを得ないのでしょうか。

 

鉄道の赤字路線の廃止が望ましいかどうかは、幾つかの要因によって異なってくるようです。

 

利用者数が少ない場合、路線を維持することが難しいことがあります。しかし、利用者数が少ない路線でも、地域の住民や観光客などにとって必要不可欠な交通手段である場合には、廃止による影響を考慮する必要があります。

 

経済的な価値も加味する必要があります。利用客が少なくても農産物や工業製品などの輸送に利用されている場合があります。そのような場合には、鉄道がなくなることで地域にとって経済的な損失の方が大きいなら、廃止しないという結論に達するかもしれません。

 

地理的な要因はどうでしょうか。山岳地帯など、他の交通手段が限られた地域にある場合、その廃止によって交通が大幅に制限される可能性があります。そのため、地域の特性を考慮した交通政策が必要となります。

 

また、最近では環境面でも鉄道が見直されています。赤字路線であっても地域の交通渋滞が緩和されたり、大気汚染を減らすなどの効果がある場合には廃止を免れることもあるかもしれません。

 

廃止を免れる幾つかの要素がありますが、鉄道会社も儲けを出さなければいけませんので難しいところですね。では赤字路線を維持するためにはどうしたらいいのでしょうか。

 

コロナ以降、鉄道会社では運賃の見直しを図っています。つまり値上げをしています。利用者の減りを運賃の値上げでカバーしようとしているのです。ただし値上げしすぎると利用者が減ってしまいますので慎重に検討しなければなりません。運賃収入だけではどうにもならないこともあります。その場合、地方自治体や国が財政支援することで、赤字を縮小することができます。ただし、税金が使われているのでバランスが大切になってきます。

 

JR九州や大井川鉄道のように観光列車に力を入れている会社もあります。それ目当てに観光客がやってきますが、これには車両や施設の改修などのコストがかかるため検討が必要です。

 

日本は災害が多く、復旧できずに廃止というニュースもよく耳にします。また、沿線人口は減っていく一方ですので鉄道会社も頭の痛いところです。赤字路線の維持はほんとうに大変な事ですね。

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