近年「米粉」というものが売られています。当然お米からできている粉です。しかし「米粉」は総称で、この中にたくさんの種類の粉があります。今回は米粉の中にはどんな「粉」があるのか、それぞれの用途は何かを考えたいと思います。
米粉は、「うるち米」と「もち米」の2種類によってできています。ちなみに「うるち米」とは、普段食べている普通のお米のことです。米粉の種類を見てみましょう。
上新粉→うるち米からできています。うるち米を水洗いし、乾かした後に製粉したものです。用途は「団子」「柏餅」「草餅」などです。しっかりした歯ごたえのある食感を味わえます。
餅粉→もち米からできています。もち米を水洗いし、乾かした後に製粉したものです。用途は「大福もち」「求肥(ぎゅうひ)」などです。お米の風味を味わえます。
白玉粉→もち米からできています。もち米を水洗いし、半日から1日ほど水に漬け、水切りをした後に、水を加えながら砕いて粉にします。用途は「白玉」「大福もち」などです。なめらかでもちもちとした食感があります。
だんご粉→うるち米ともち米からできています。上新粉(うるち米)と白玉粉(米粉)のブレンド粉になります。上新粉の割合が多いほどコシの強い団子になりますし、白玉粉の割合が多ければもちもちとした柔らかめの団子になります。用途は「団子」「柏餅」などです。
上記の粉(米粉)がよくスーパーなどで売られているものです。しかしこれらの他にも、「寒梅粉」「らくがん粉」「みじん粉」「道明寺粉」「上南粉」「乳児粉」などの米粉が存在します。米から、製法や熱処理などの違いだけでこれだけの種類の粉を生み出すのはすごいことですよね。米粉は奥が深いです…。
しかし、最近スーパーなどで「米粉」が売られています。「えっ、米粉って上新粉や白玉粉の総称じゃないの?」と疑問に感じた方もいるでしょう。近年、従来の米粉をさらに細かく製粉する技術が開発され、それによってできた粉を微細紛米粉と呼んでいます。ですからスーパーで「米粉」として売られているものは微細紛米粉になります。
微細紛米粉にはどんな特徴があるのでしょうか。それは粉の大きさが小麦粉と同じという点です。従来の製粉技術では細かくすることは出来ませんでしたので米粉を小麦粉の代用にすることができませんでした。しかし微細紛米粉の登場によって、小麦粉で作られていたパンや麺、ケーキやホワイトソースなどを米粉でも対応できるようになったのです。
小麦はほとんどを輸入に頼っています。しかし米は国内の水田の約6割で賄うことができています。そのため小麦粉の代わりに米粉を使用することによって食料の安定供給が可能になるのです。小麦粉アレルギーの人でも食べられるのもうれしいですよね。
今日はお米の種類や用途について考えました。改めて、お米のもつポテンシャルのすごさや、いろいろな製法を編み出して加工していった先人たちの知恵を感じることができました。