新年食べるものといえば、おせち料理やお餅ではないでしょうか。これらを食べないと正月じゃない!と考えている方も多いのではないでしょうか。我が家も正月にはお雑煮やぜんざいなどが食卓に並びます。確かに美味しい食べ物です。それに比例するかのように餅による窒息死も増えます。1月の風物詩といっていいでしょう。1月以外で餅による窒息死の報道は聞きません。
餅は高齢者にとってリスキーな食べ物と言えます。消費者庁の発表によると、2018年と2019年の2年間における餅による窒息死は661人という事でした。平均すると年間330人の方が、餅が原因で亡くなっていることになります。そして死者の約9割が65歳以上ということで、高齢者にとってみれば命がけで食べる食品と言えるかもしれませんね。
総務省の発表によれば、65歳以上の高齢者は全国3617万人ということでした。その人数を餅による窒息死者で割ると、約10万人に1人の割合で亡くなっていることになります。これをリスクと見るかどうかですが…。死者数は年々減ってはいるようですが、そのリスクを冒してでも美味しいお餅を食べるかどうかは本人次第ですね。
しかし介護施設だと自己責任というわけにはいきません。訴訟のリスクもありますのでお餅は提供しないところもあるようです。提供するとしても、餅を小さく切って出したり、もち米とうるち米のブレンドで粘り気が少ない餅を出しているところもあります。介護施設もいろいろと気を使う必要があるので大変ですね。
若い年代の方であれば、食が多様化している現代において正月に絶対お雑煮(餅)を食べなければならない、と考える方は少ないでしょう。お雑煮が無ければ普段通りパンやごはんでも構いません。お雑煮は出されれば食べるけど、絶対に食べなくてはいけないものとはとらえません。
しかし高齢者は違います。「お雑煮を食べないと新年は始まらない」と考えている方はたくさんいます。それが昔からの習慣になっているので仕方ないとは思います。平安時代には既に食べられていたようです。昔は現代のように寿命が長くありませんでしたので餅を飲み込む力がありましたが、さすがに超高齢化社会になっている現代ではその機能も衰え、年齢と共にリスクのある食べ物になってしまっています。
もしこのブログを見ている方が65歳以下であるなら飲み込む力のある時にたくさん餅を食べておきましょう。年齢が上がるほどリスクも上がる食べ物だからです。