写真は新東名 奥に静岡市内が見える。
東京と名古屋を結んでいる東名自動車道。西日本へ行くにあたり利用された方も多いのではないでしょうか。また東名は日本の物流を支えてもいますので多くのトラックも走っています。東名自動車道が出来たのは1969年に開通しました。50年以上前のことです。現在では、東名に並行する形で新東名が通っています。この2つの違いは何でしょうか。
新東名が造られたのにはいくつかの理由があります。
①東名の老朽化
東名は造られてから50年以上経過しており、当然50年前の技術で施工されていますので技術的にも古いものです。また傷みも生じています。大動脈でもありますので多くの車が通ります。
②渋滞による交通量の緩和
東京から名古屋、そして大阪という大都市を結ぶライン上に東名がありますので、観光や物流で利用する車がとても多いです。そのため交通量を緩和する必要がありました。
③災害対策
大きな災害が生じると高速道路が不通になってしまう場合があります。そうなると物流が滞ったり、緊急車両が通れないなど支障が生じます。そのためにもう一本の並行する高速道路が必要になりました。
④急曲線・急勾配等の解消
設計の古さゆえ、線形の悪さが走っているとよく分かります。これはスピードが落ちる原因になりますし、カーブと勾配が付いていると危険度も増してしまいます。線形の良い道路が必要になりました。
このように新東名は東名のバイパス路線の役割を担っています。新しい高速道路なので線形も良く、勾配も少ないので一定の速度で走ることができます。走行音も静かです。東京から名古屋に行くのに所要時間も新東名の方が少し短くなります。
こういった理由を考えると新東名の方が利用しやすいですね。しかしそれは東京から名古屋に抜ける場合です。どういう事かというと、新東名は線形を良くするために、かなり山側を走ることになります。見える景色は山とトンネルだけです。対して東名は海側を通り、場所によっては海岸ギリギリのところを通っています。そして静岡県内や愛知の東部の主要都市は東名に近い場所にありますので、新東名のインターチェンジ(IC)からはかなり離れています。
どのくらい中心部までの距離に違いがあるのでしょうか。
・静岡駅に行くのに、東名の静岡ICは4.3キロ。対して新東名の新静岡ICは9.1キロになります。
・掛川駅に行くのに、東名の掛川ICは2キロ。対して新東名の森掛川ICは10.8キロになります。
・浜松駅に行くのに、東名の浜松ICは9キロ。対して新東名の浜松浜北ICは22キロになります。
このように静岡県と愛知県内の中心地に行く場合は東名の方が利用しやすいでしょう。しかし、静岡県と愛知県を通過するだけなら新東名で問題ありません。今回は新東名を造った経緯について考えました。