写真:阪神5000系 「ジェット・カー」
JRに乗っているとさほど感じませんが、私鉄に乗ると「今出発したのにもう駅に着いたの?」と感じることはあります。鉄道会社によって違いはありますが、私鉄ほど路線に対して駅の密度が高くなっています。どの大手私鉄の中でどこが一番駅の密度が高いのでしょうか。平均駅間距離を見ていきます(営業キロ程を駅間で割ったもの)。
データは各社のHPから抜粋
16位 東武 2.25キロ 全線の営業キロは463.3キロで、駅数は206。
15位 京成 2.21キロ 全線の営業キロは152.3キロで、駅数は69。
14位 西武 1.92キロ 全線の営業キロは176.6キロで、駅数は92。
13位 近鉄 1.75キロ 全線の営業キロは501.1キロで、駅数は286。
12位 小田急 1.72キロ 全線の営業キロは120.5キロで、駅数は70。
11位 名鉄 1.62キロ 全線の営業キロは444.2キロで、駅数は275。
10位 阪急 1.60キロ 全線の営業キロは143.6キロで、駅数は90。
9位 南海 1.55キロ 全線の営業キロは154.8キロで、駅数は100。
8位 西鉄 1.47キロ 全線の営業キロは106.1キロで、駅数は72。
7位 相鉄 1.46キロ 全線の営業キロは38.0キロで、駅数は26。
6位 京王 1.23キロ 全線の営業キロは84.7キロで、駅数は69。
5位 京急 1.19キロ 全線の営業キロは87.0キロで、駅数は73。
4位 東京メトロ 1.083キロ 全線の営業キロは195.0キロで、駅数は180。
3位 東急 1.081キロ 全線の営業キロは104.9キロで、駅数は97。
2位 京阪 1.02キロ 全線の営業キロは91.1キロで、駅数は89。
1位 阪神 0.96キロ 全線の営業キロは48.9キロで、駅数は51。
という結果になりました。阪神だけが1キロ以下という高密度で駅を作っているんですね。もはやバス停並みです。あまりにも駅間が短いので、各駅停車用に高加速・高減速が可能な「ジェット・カー(愛称)」という車両が配備されております。
駅密度が高いことで得られるメリットは、沿線住民の取り込みが出来ることでしょう。JRの駅までは遠いけど私鉄の駅は近くにあるので、乗車時間は増えるけど私鉄を利用しよう、という人はたくさんいます。例えば阪神間(大阪―神戸)は、JR・阪急・阪神と3路線が通っています。JRは速達性を重視しており、阪急はもともとひと気が少なかった場所に線路を引き、沿線を開発していきました。阪神は古くからの市街地を通り、多くの沿線住民を拾います。そのためJRと阪急に比べて駅間が短いのです。駅が近いのは利用者にとってはうれしいですね。
しかし、駅間の距離が短いということは、駅をたくさん作らなければなりません。そのぶん建設費や維持費がかかってしまいます。また各駅停車は退避待ちが多くなりますので速達性も失われてしまうでしょう。加減速性能に優れた特殊な車両を導入するため車両コストもかかります。このようなデメリットも抱えています。
今回は路線に対しての駅間の密度を見ていきました。阪神が1位なのを皆さんは予想できたでしょうか?