貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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いっぱい台風が来るのに、なんで沖縄は被害が少ないの?

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7月頃から本格的に台風シーズンに突入します。最近の台風は大規模災害を引き起こすイメージが強くあり、大雨による川の氾濫も毎年のように起こっています。次の台風はどこを通るんだろうと毎回心配になりますが、沖縄県はたくさんの台風が通過しているのに被害が出たというニュースはほとんど聞かないですよね。

 

気象庁の発表によると沖縄地方の台風接近数の平均は年間7.7回、九州南部だと3.9回、関東だと3.3回ですので、沖縄は他の場所に比べて約2倍の台風が接近していることになります。それでも沖縄地方に大きな被害がないのはなぜでしょうか。

 

一つには住宅事情があります。本州に住んでいる方なら分かると思いますが、本州の戸建てはほとんどが木造建築です。日本の夏は暑く湿度が高いので、断熱性が高く調湿作用が優れている木造が選ばれます。戸建て住宅全体の約7割が、日本で昔から使われている「木造軸組工法」で造られています。

 

対して沖縄は台風がたくさんやって来ます。暴風が吹くと木造の家だと壊れてしまう可能性が高くなるのでコンクリート造りの家が多くなっています。戦前までは沖縄でも木造の家が一般的でしたが、戦争によって家が壊されてしまったことやアメリカ統制時代に米軍のコンクリート造りの施設が台風に強いことが分かり、次第に一般の家庭にも普及していったようです。

 

2つ目は自然環境が挙げられます。沖縄県には大きな山がありません。一番大きな山は於茂登岳(おもとだけ)といい、沖縄県石垣市にある標高526メートルの山になります。沖縄本島では標高503mの与那覇岳(よなはだけ)です。丘陵地や台地・段丘が県土の大部分を占めているため低地による水の氾濫はほとんどありません。また琉球石灰岩でできた地層は水はけが良いため、河川氾濫や土砂災害が少なくなっています。

 

3つ目は、たくさん台風がやってくるので先手の対策を打てているという点です。毎年何度も台風と格闘していますので、どう行動すればよいかが分かっています。また離島や一部の地域では、海岸や家の周りに防潮・防風林を植えて対策しています。

 

今回はなぜ沖縄は台風の被害が少ないのか考えました。台風は地震と違ってある程度予測ができる災害ですので、早いうちに命を守る行動をとっていきたいですね。

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