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日本の有名な神社やお寺はなぜ朽ちないの?

浅草寺

一般的な木材家屋なら50年も経てば見た目も内部もボロボロになります。しかし、有名な神社やお寺は朽ちたり、崩れたりしてはいません。なぜでしょうか。

 

私たちは、神社やお寺=昔からあるので木で造られていると考えます。世界最古の木造建築である法隆寺(西暦607年建立)などをイメージするかもしれません。しかし実状は違います。すべてではありませんが、有名どころの神社やお寺の中にはRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)のものもあります。

 

RC造とは、鉄筋とコンクリートを組み合わせて建てる構造のことで、現代の建築では一般的な方法です。RC造に鉄骨が入ったものがSRC造になり、SRCの方が強度としなやかさを備えているため高層建築に使われています。しかし、神社やお寺というと木造をイメージする人が多いかもしれません。では、なぜRC造やSRC造の神社やお寺があるのでしょうか?

 

RC造のお寺は、主に二つの理由で建てられました。一つは、火災や地震などの災害に強いことです。日本は自然災害が多い国ですから、木造や石造のお寺は何度も焼失したり倒壊したりしました。そのため、再建する際にRC造を選択したお寺もあります。例えば、東京都台東区にある浅草寺は、江戸時代に何度も火事にあっていますが、最後に焼けたのは1945年の東京大空襲になります。その後、1953年に現在の本堂がRC造で建てられました。五重塔もRC造で、どちらも木は使われておりません。

 

もう一つの理由は、近代化や西洋化に対応することです。明治時代以降、日本は西洋文化や技術を積極的に取り入れましたが、その影響は神社やお寺にも及びました。RC造は西洋式の建築技術であり、当時は新しいものとして注目されました。また、RC造ならではのデザインや装飾も可能となりました。

 

有名なRC造やSRC造の神社やお寺はどこかというと、築地本願寺(1934年/RC造)、成田山新勝寺本堂(1968年/SRC造)、増上寺大殿(1974年/SRC造)、神田明神(1934年/SRC造)、池上本願寺(1964年/SRC造)、花園神社(1966年/RC造)などが挙げられます。東京に詳しい方ならすぐに思い出せますね。

 

以上のように、日本の有名な神社やお寺にはRC造やSRC造が使われていました。当然木材建築だと思っていたため驚かれた方も多いのではないでしょうか。もし見に行く機会があれば、コンクリートが使われていることを頭に入れて観察するのも面白いかもしれません。

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