日本は時差が無いので、普段の生活でプラス1時間、マイナス1時間などと計算したりはしません。日本は南北に長い国ですが、東西に関して言えばだいたい経度が15度の幅に収まっているので、北海道から沖縄まで同じ時間帯を用いています。しかしアメリカに旅行に行った時には、場所によって時差が生じるため計算がややこしく感じることがあります。飛行機で都市を移動する場合そう感じるのは私だけでしょうか。
アメリカは6つの時間帯があります。アメリカ本土で4つ、アラスカとハワイを含めると6つというわけです。確かに東西に国土が延びているのでそうしないと不便ですね。ロシアはもっと広いので11の時間帯を設けています。
さて、中国はどうでしょうか。中国の国土面積は世界4位で、地図を見ても面積が相当広いのが分かります。東は黒竜江省から西の新疆ウイグル自治区までの距離は約5200キロで、経度でいえば約60度ありますが、時差がありません。広大な国が一つの時間帯で進んでいるのです。1つの時間帯しかないので行政面においては便利な反面、端っこにいる人にとっては不便でもあります。
中国の時間帯は、首都である北京に近い東経120度の子午線が基準となっています。そのため北京時間と呼ばれています。では北京は中国のどのあたりにあるのでしょうか。地図を見ていただくと分かるように東側にあります。上海や香港であれば何の問題もありません。
問題は西側です。新疆ウイグル自治区のウルムチなどはかなり北京から離れています。北京時間で生活しようとするとかなり大変です。どういう事でしょうか。例えば、北京時間で昼の12時になったのでお昼ご飯を食べようとしたとき、ウイグル自治区ではまだ体感では朝の8時くらいです。太陽が昇って間もないくらいで昼ご飯となると、ウイグルの朝ご飯は真っ暗な時に食べなければなりません。太陽が真上に来るのは午後4時や5時です。これでは体内時計が狂ってしまいます。
そのため、非公式ではありますが新疆時間(ウルムチ時間)というものがあります。この時間帯は北京より2時間遅れの時間帯となっていますが、公式ではないので北京時間と新疆時間の2つが新疆ウイグル自治区では存在しているのです。何ともややこしいですね。