日本から近い海外の旅行先は韓国、中国、東南アジア諸国、グアム(アメリカ領)などです。6時間もあれば様々な国に行くことができます。そこでは日本とは違う異文化や食事を体験できます。一方アメリカはどうでしょうか。アメリカは巨大な国です。面積は日本の約25倍あり、アメリカは東海岸から西海岸まで約4,500キロメートルもの距離があります。そのため各地域には独自の文化や景観が広がっています。
そのため、海外に行かなくても海外に行っている感覚になります。アメリカ国内には時差があり4つの時間帯がありますし、人種の割合も地域によって違います。ネイティブ・アメリカン、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、アジア系アメリカ人など、さまざまな民族が共存しています。多民族国家ゆえに文化や食事も多様性があるのです。
アメリカの国土の広さが国内旅行の感覚を鈍らします。例えば東海岸にあるニューヨークからハワイのホノルル空港まで約11時間を要します。日本で言えば東京からヨーロッパに行くようなものです。ではアメリカ本土での移動はどうでしょうか。東海岸のニューヨークから西海岸のロサンゼルスまでは約6時間もかかります。アメリカで飛行機が必須と言われるのがよく分かります。
アメリカ本土の北にはアラスカ州がありますが、そこへ行くには飛行機に乗ってカナダを飛び越えていかないと行けません。また、カリブ海にはアメリカ領のヴァージン諸島があるため、数時間の飛行で南国の島をパスポート無しで滞在できます。太平洋のほぼ真ん中には50番目の州であるハワイ州があります。もっと西に行けばアメリカの自治属領(準州)のグアムがあります。日本からだと4時間半で着く島です。日本に近いグアムですらアメリカの領土なのです。
このようにアメリカ国内と言えども、かなり遠いところまで行くことができます。もはや海外旅行という感覚でしょう。海外旅行に行く必要が無いくらい、いろいろな場所に領土を持っていると言った方が良いかもしれません。
加えて、アメリカはビッグで世界一の経済大国ですので、海外についてさほど興味を持たない傾向があります。アメリカのジョークの中でも、「アメリカが世界の中心」という考えを持つ人と、「アメリカが世界」と考えている人たちの2つのタイプがいるというものがあります。つまり、アメリカ以外には興味がないか、もしくはアメリカ以外に国はないと思っている人たちがいる、というアメリカ人を揶揄するジョークです。少なからずそのような傾向があるのかもしれませんね。