アラブ、中東、イスラムと聞くと、なんとなく顔が濃くて、お金持ちが多くて、石油が出ているイメージを抱く方が多いかもしれません。でも厳密には同じではありません。今回はその違いを見ていきたいと思います。
アラブとはアラビア語を話す国に住む人たちを指します。つまりアラブ人はアラビア人のことです。主な国はレバノン・シリア・ヨルダン・モーリタニア・モロッコ・リビア・アルジェリア・チュニジア・エジプト・スーダン・パレスチナ・バーレーン・サハラアラブ民主共和国・サウジアラビア・クウェート・カタール・オマーン・イラク・イエメン・UAEが挙げられます。
上記の国に含まれないのは、イスラエル・トルコ・イラン・アフガニスタンです。なぜアラブに含まれないかというとアラビア語を公用語としていないからです。イスラエルはヘブライ語、トルコはトルコ語、イランはペルシャ語、アフガニスタンはパシュトー語(ダリ―語)、を話しているためです。この4か国の人々はアラブ人ではなくイスラエル人、トルコ人、イラン人、アフガニスタン人になります。アラブの国々にこの4ヵ国を足すと中東になります。なのでアラブより中東の方が国数としては多いことになります。
じゃあイスラムはどうなのでしょうか。名前の通りイスラム教を信じている人たちを指します。また、イスラム教徒のことをムスリムと言います。中東とイスラムを混同しがちですが、そうではありません。
イスラム教徒が一番多い国はインドネシアです。次にパキスタン人、インド、バングラデシュ、と続いていきます。実はアジアの国々にもたくさんのイスラム教徒がいるんですね。マレーシア、フィリピン南部、タイ南部、ミャンマー北部、中国の新疆ウイグルなどにもいます。世界中にイスラム教徒は20億人ほどいると言われています。近年、日本にもモスクやハラル認証店が増えてきましたね。これは多くのイスラム教徒がいることを指しています。
今回はアラブ、中東、イスラムについて考えました。日本から遠い国々ですので、実態が分からない部分もあると思いますが、近年は国民レベルでの交流が増えていますので理解を深めるのは良いことと言えそうですね。