貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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なんで廃墟化した温泉地が増えているの? どんな理由で廃墟化したの?

鬼怒川温泉

日本各地に温泉地はあり、日ごろの疲れを癒してくれます。関東圏内であれば箱根や草津などが有名で、多くの観光客が訪れます。そんな中、廃墟化する温泉地が増えています。昔は栄えていたのになぜ廃れてしまったのでしょうか。

 

廃墟のイメージが大きい温泉地は栃木県日光市にある鬼怒川温泉です。この温泉地には東武鉄道で行くことができ、浅草から乗り換えなしです。鉄道のアクセスはとてもいいところですね。鬼怒川温泉は1691年に源泉が見つかり、その後、日光東照宮に行った諸大名が帰りに立ち寄った由緒ある温泉地です。

 

東武鉄道が鬼怒川温泉を開発し、近くには東武ワールドスクウェアや日光江戸村もあり見どころもあります。温泉街のキャパシティもあったため昔から多くの観光客が訪れています。バブル時代には慰安旅行や社員研修などの団体客を受け入れるため、旅館やホテルも増築を繰り返し大型化していきます。

 

しかしバブルがはじけると、経済が一気に悪くなっていきます。メインバンクだった足利銀行が経営破綻した結果、営業不振となっていたホテルや旅館が倒産に追いやられてしまいました。過剰な設備投資がここにきて経営を圧迫したのです。大型化したホテルや旅館はそのまま建物だけが残されることになり、今もそのまま残っています。

 

2000年以降はネットでの予約ができるようになったため、旅行のスタイルも団体から個人に移り変わってきました。そうなると大きなパーティー会場や宴会場などは要らなくなりますね。このようにニーズに合わない宿泊施設は廃業へと追い込まれていきます。宿泊客がいなくなればお土産屋や娯楽施設など温泉街としても衰退していきます。これは鬼怒川温泉だけの問題ではなく、那須塩原や伊香保温泉、水上温泉などでも同様です。

 

残った建物は時間と共に廃墟と化していきます。撤去しようにも川沿いにあるため工事車両が入れず撤去が難しかったり、権利関係が複雑ゆえに簡単に壊せないなどの問題もあります。また、撤去費用が何十億ともなると自治体だけでは対処しきれないのです。なので今も時間が止まったかのように建物だけ取り残されているのです。

 

温泉地としては一刻も早く取り壊してほしいと願っているに違いありません。そのような状況下でも頑張って経営を続けている宿泊施設はあります。地元を盛り上げようとしている人たちもいます。

 

私見としては廃墟化した施設に関して国や自治体が動かないなら、東武グループが再開発してくれると新たな鬼怒川温泉ができるのではと考えてしまいますが、動かないところを見ると採算が合わないのが現状なのかもしれません。

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