貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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もとは「週末温泉急行」 小田急のブランドイメージを確立させたロマンスカーとは?

現在は定期運用を終えたVSE 50000形

箱根に行きたいと思ったとき、一番初めに頭に浮かべる鉄道会社といえば小田急電鉄ではないでしょうか。ロマンスカーに乗れば新宿から箱根湯本まで直通で行くことができるからです。小田急は日本屈指の通勤路線でありながら、一大観光地まで走っている日本では珍しい路線です。

 

そして小田急を代表する列車がロマンスカーで、日本を代表する観光特急でもあります。大手私鉄には様々な特急が走っています。東武のスペーシア、京成のスカイライナー、西武のラビュー、近鉄のしまかぜなどです。それでも私鉄の中で一番有名な特急と言えば小田急ロマンスカーを挙げる人は少なくありません。小田急のブランドイメージを高めている特急列車なのです。

 

ロマンスカーが誕生したのは1935年です。戦前にできていたとは驚きですね。しかし当時の名称はロマンスカーではなく「週末温泉特急」というものでした。新宿から小田原の間を90分かけてノンストップで走っていました。第二次世界大戦のときは戦時体制強化ということで週末温泉特急は廃止されます。

 

そもそもなぜロマンスカーという名称なのでしょうか。それは座席がロマンスシートだったからです。「ロマンスシート?何それ?」だと思いますが、この言葉は和製英語で、2人掛けの座席のことを指します。ですから現在の特急や一部の列車はロマンスシートということになりますね。今は転換クロスシートや回転クロスシートと呼ばれています。

 

ロマンスカーは小田急の専売特許というわけではなく、小田急よりも前に東武鉄道、京阪電鉄、南海鉄道、参宮急行鉄道(現在の近鉄)などが採用していました。しかし小田急は特急に力を入れていたため、次第に「小田急と言えばロマンスカーだよね」と認知されていきました。そのため箱根に行く人の足としてロマンスカーは次第に存在感を高めていったのです。

 

ロマンスカーは箱根に行く人たちだけが利用する特急ではありません。小田急は通勤路線でもあり、とりわけ多くのニュータウンを沿線に擁しています。それらの人を都心に運ぶために、モーニングウェイ、ホームウェイを運行します。特急専用車両を使った通勤特急になります。それだけでなく、地下鉄にも乗り入れるロマンスカーも走らせています。

 

ロマンスカーは長年、小田急のブランドイメージと経営を支える特急となっていきました。これからも都心に向かう通勤客と箱根に向かう観光客をたくさん運んでいくことでしょう。

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