新宿駅といえば、1日に約350万人以上が利用する、まさに日本を代表する巨大なターミナル駅です。静岡県の人口が360万人なのを考えると、そのすごさがわかるでしょう。しかし、そのすぐそばに位置する大手私鉄の小田急線「南新宿駅」という名前を聞いたことがある人は少ないのではないでしょうか。同じ小田急線にあるにもかかわらず、なぜ南新宿駅は有名にならないのでしょう?今回はその理由と、実は便利な一面についてご紹介します。
「南新宿駅ってどこにある?」
南新宿駅は、新宿駅からわずか400メートルほどの距離にあります。地図で見ると、こんなに近いのに別の駅として存在していることが少し不思議に思えるほどです。この駅の利用者数は1日あたり数千人程度で、新宿駅と比べると桁違いに少ないことがわかります。そもそも南新宿駅があまり知られていないのは、その「規模」と「役割」が大きな理由です。
理由1:駅がとても小さい
南新宿駅は、新宿駅や代々木駅といった周辺の駅に比べて非常に小規模な駅です。ホームも短く、ロマンスカーや快速急行などの速達電車は停車しません。10分に1本しか来ない各駅停車しか停まりません。そのため、通過する電車の方が多い駅になっています。また、改札口も小さく、駅ビルや商業施設などの派手な設備もありません。大きな駅に慣れている人からすると、見逃してしまうほどの控えめな存在です。
理由2:新宿駅があまりに便利すぎる
南新宿駅が目立たない理由のもう一つは、新宿駅の圧倒的な便利さです。新宿駅にはJR、東京メトロ、都営地下鉄、さらには京王線や小田急線まで、さまざまな路線が集結しています。これほどの交通網が一か所に集中している場所は全国的にも珍しく、多くの人が新宿駅を利用するのも納得です。そのため、わざわざ南新宿駅を選ぶ理由が薄れてしまうのです。
理由3:周辺施設が限定的
新宿駅の周辺には、ショッピングモールや飲食店、オフィスビルなどが立ち並び、日々多くの人でにぎわっています。一方、南新宿駅周辺は、比較的静かな住宅街が広がるエリアです。観光客や買い物客が訪れるようなスポットが少ないため、目的地として選ばれることが少ないのです。
「実はメリットもある南新宿駅」
それでも、南新宿駅には新宿駅にはない魅力があります。一つ目は「混雑の少なさ」です。新宿駅のホームは常に人であふれていますが、南新宿駅は利用者が少ないため、落ち着いて乗り降りができます。特に通勤や通学で混雑を避けたい人にはありがたいポイントです。
二つ目は「隠れた近道」です。南新宿駅のすぐそばには「代々木駅」があり、JRを利用する際にはこちらの駅が便利な場合もあります。また、新宿駅南口から徒歩でも行ける距離なので、歩きやすいルートを知っていれば移動の選択肢が増えます。
南新宿駅は、観光地や商業施設の玄関口ではありませんが、その役割は周辺の住民にとって非常に重要です。地域に密着した駅として、通勤や通学、地元の人々の移動を支えています。その控えめな姿が、逆に親しみを感じさせるのかもしれません。