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日本人のほとんどが低い土地に住んでいるってホント?

東京下町を流れる荒川と中川 

皆さんはどこに住んでいますか。東京周辺、大阪周辺、名古屋周辺のどこかに住んでいる方が多いのではないでしょうか。なぜなら、この3つの都市圏には多くの人が住んでいるからです。なぜこの3都市周辺に人が多く住んでいると思いますか。

 

皆さんは「可住地」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。これは人が住むことのできる土地のことです。反対に人が住むのに不向きな土地は可住地ではありません。湖沼、山地、森林などです。言い換えれば、人が住みやすい土地は平地、もしくは盆地になります。

 

日本はほとんどを山に囲まれています。そのため人が住む地域が限られていて可住地の割合は約30%しかありません。その少ない土地に1億2800万人がひしめき合って暮らしているのです。先ほど述べた3都市圏は平地であると同時に低地にあります。そこに多くの人が集まっているのです。

 

実際、国の調査によると標高0~100mの地域に住んでいる人口は、およそ1億人で、日本の人口の80%にのぼります。また、標高が1m未満の低地におよそ300万人の人が暮らしています。これはかなりリスクのある土地で、台風や暴風雨が来た際に、洪水や高潮によって被害に遭う地域になります。

 

東京圏は品川、浜松町、新橋、東京、上野、赤羽の京浜東北線の線路を境に東は低地、西は台地に分かれています。東京の東にある隅田川や荒川、江戸川の周辺は標高が0mで、川よりも低地になっています。下町と呼ばれている江戸川区、葛飾区、荒川区、墨田区あたりです。

 

大阪圏では淀川沿いの土地は川よりも低い場所にあります。とりわけ淀川の河口付近は海抜が0m以下のところもあります。大阪駅も0m台にあります。

 

名古屋圏には濃尾平野があります。愛知県と岐阜県にまたがるこの平野は木曽川、長良川、揖斐川という大きな川が3つ並んでいて、昔から洪水が頻発して大きな被害を出してきました。1959年の伊勢湾台風では高潮によって5098人の方が亡くなっています。

 

こういった場所に多くの人が住んでいます。坂が無いので暮らしやすい反面、台風や高潮が襲った時には大きな被害を出します。私たちは普段標高を気にして生活することはないでしょう。でも住む場所となると少しでも高い場所に住む方がリスクは少なくて済みます。現在では家を購入する、または借りる場合には低地であることを不動産屋は告知する義務があります。知ったうえで決めましょう。

 

近年、気候変動によって極端な天気が続くことがあります。「うちは大丈夫だろう」ではなく、「うちは大丈夫だろうか?」と考えるのは良い事ですね。

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