世界的に見てアジアの国々は人口密度が高く、多くの人が住んでいます。日本も7割が山であるにもかかわらず1億2千万人以上が住んでいます。しかも自然災害がトップクラスに多いにもかかわらず多くの人が暮らしています。他のアジアの国も同様で、フィリピン、インドネシア、中国、ミャンマー、バングラデシュ、インド、パキスタン、ベトナムなど総じて人口が多く、自然災害が多い国となっています。
これらの国は台風やサイクロンがやってくる場所に位置しています。そのため多くの水害をもたらしてきました。でも人口密度は高く、多くの人が住んでいます。なぜでしょうか。
人が生きていくためには食料となるものが必要です。そしてアジアの国では米が主食となっている地域が多く、米を作るには多くの水が欠かせません。もうお分かりかと思いますが、水稲栽培に必要な水をもたらすのが台風やサイクロンなのです。
じつは、米が栽培できるところは地球上の中でも限られた地域だけです。つまりアジアです。温暖で、湿気もあり、水と雨が豊富という条件をクリアしなければ米を栽培することは出来ません。ヨーロッパや北米では麦が作られていますが、アジアでは米が作れるのです。米と麦を比べると、米は栄養価が高く、田んぼに張る水には養分が含まれているので連作障害を起こさず毎年コンスタントに収穫できます。
その結果、米を食べるアジア圏では人口が爆発的に増えました。日本を含め、インドネシア、ベトナム、フィリピン、インドなどは人口のみならず、人口密度も非常に高いです。
ちなみに昔のヨーロッパは食料が極めて少ない土地でした。今でこそ食料を輸入したり、農業の発展と共に人口が増えていますが、昔は寒い地方では麦も育たず、ジャガイモが入ってくるまでは飢えと戦っていました。なのでアジアとは違いヨーロッパは人口も少なかったのです。
米栽培ができるアジアはヨーロッパから見れば桃源郷のような土地と見えたに違いありません。それをもたらしたものこそが台風でありサイクロンというわけです。時には大災害を引き起こしますが、上手に付き合うことでたくさんの恩恵をもたらしてくれるものなのです。