普段何とも思わなくても実は恵まれていた、ということがあります。実は日本の形もかなり恵まれたものなのです。どういう意味で恵まれているのでしょうか。今回は日本の形や場所について考えます。
日本の形を思い浮かべてみてください。弓なりの形をしています。北海道から関東までは縦長ですが、関東から西は横長になります。これのどこが恵まれた形かと言うと、稲作が可能なのが北緯35度と言われています。北緯35度は場所で言うと千葉の房総半島あたりから静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、島根のラインです。
近年では米の品種改良のおかげで北海道でも米を作ることができます。しかし昔は関東以北では米はたくさんとれるものではありませんでした。寒さに勝てない稲は育たなかったのです(黒潮のおかげで日本は35度を少し過ぎても稲作はできます)。
稲作は中国から伝来されてきたものですが、日本も中国の南部同様に温暖湿潤な気候なので稲作に適した地域でした。なので稲作が西日本から広がっていったというのも至極当然かもしれません。もし、日本の緯度が全体的に5度高かったらどうでしょうか。そうなると稲作はほとんどできなかったでしょう。35度は鹿児島県の離島あたりになってしまうからです。食文化も全体的に今と変わっていたことでしょう。米が美味しく食べられるのは北緯35度以南の地域が多かったからですね。
また、日本の形だけでなく場所も恵まれています。島国が関係しているのですが、日本が他国から攻められたことがあるのは元寇と第二次世界大戦の2回だけです。大陸国家は歴史上争いばかりしています。とりわけモンゴルの遊牧民による統治の規模は目を見張るものがあります。日本の場合は失敗したので良かったですが、中国周辺、インド周辺、ロシア周辺、イスラム周辺などはことごとく破壊され、王朝が滅んでいます。
モンゴル帝国が版図を広げられたのも、大陸でつながっていることもありますが、馬で走ることができる平地(サバンナ)だったことが挙げられます。それら遊牧民はアルプス山脈で越えられなかった西ヨーロッパと、海で隔たれていた日本には攻め入ることができなかったのです。もし日本が中国大陸とつながっていたとしたら、多くの戦争に巻き込まれていたに違いありません。島国で良かった点でしょう。周囲が海なので魚もいっぱい獲れますし。
今回は、日本の形と場所の良さについて考えました。皆さんはどう思われますか。