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ロシアが北方領土を持つメリットはなに?

国後島を望む

日本は何年もロシアに対して北方領土の返還交渉をしています。第二次世界大戦の最後の方で、ソ連は日本と結んでいた日ソ中立条約を無視して対日参戦してきました。日本は無条件降伏しましたが、ソ連は日本に侵攻を続け北方領土を占領してしまい、そこに住んでいた日本人は退去させられてしまいました。それ以降、ソ連からロシアになっても返還は果たせていません。何にも無さそうな島々に見えますが、なんでロシアは返してくれないのでしょうか。

 

北方領土はロシアの国土の広さから見れば微々たるものです。しかし、戦争で奪った大事な領土という認識を持っていますので、簡単に返すわけありません。でも理由はそれだけではありません。

 

ロシアの国土は広いのですが、海に面している場所はほとんどが冬場凍ってしまいます。なのでロシアは不凍港を求めて南下政策を昔からとっています。政治経済上ないし軍事戦略上、不凍港を得ることを国家的なプロジェクトとしてきたんですね。また、この北方領土周辺は深い海ですので、潜水艦も見つけにくい場所となっています。なのでロシアとしては北方領土を手放したくないのです。

 

他の理由は海産物です。北方領土があれば排他的経済水域が増えますので、たくさん海産物を獲れます。オホーツク海は豊かな漁場で、鮭、鱒、タラバガニ、ズワイガニ、昆布、ウニ、アワビなどを獲ることができるのです。それだけでもロシアとしてはメリットがあるのですが、日本はロシアにお金を払ってそれらの海産物をたくさん購入してくれるのです。そりゃ手放したくはないですね。

 

多くの人が思い違いをしているのが、北方領土の大きさです。北方領土にあまり馴染みが無いので大きさも分からないかもしれませんが、択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島からなっています。4島に思われていますが、歯舞群島とあるように幾つかの島からなっています。そして北海道の横にあるので小さく見えますが、国後島は沖縄本島より大きく、択捉島は沖縄本島の2.5倍の大きさになりますので、小さな島々ではないのです。

 

今回はロシアが北方領土を手放さない理由がありました。今後日本に返還されるか分かりませんが、魅力ある島々であることは間違いないですね。

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