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穏やかな瀬戸内海 なのに海難事故が多いのはなぜ?

瀬戸内海と聞くと、穏やかな海というイメージがあります。内海なので日本海のような荒波を想像できません。島々が点在し、風光明媚な景色を楽しめる海でもあります。そんな穏やかな瀬戸内海で海難事故が多いのはなぜでしょうか。

 

瀬戸内海は交通の要衝でもあり、多くの船舶が行き交っています。他に船舶がたくさん通っている箇所は東京湾、伊勢湾、関門海峡が挙げられます。やはり船舶の数が多いため海難事故も多発しています。

 

運輸安全委員会の2021年の船舶事故の統計を見ると、745件の事故が日本で起きています。そのうち衝突が事故の中で1位です。2位が乗揚となっています。瀬戸内海を担当しているのは広島にある第6管区ですが、ここのエリアは他の管区よりも事故が多い傾向があるようです。

 

外海とは違い、瀬戸内海は波が穏やかなのでプレジャーボートなども利用しやすい場所です。その他、漁船やフェリーやタンカーなど多くの船が行き交っています。瀬戸内海は海域が狭い場所もあり用心していないと衝突したり、乗揚げてしまうことがあります。

 

瀬戸内海は日本の地中海とも言われます。見た目の穏やかさや温暖な気候が地中海に似ているからです。しかし地中海と大きく違うのが潮流です。地中海は干満の差がほとんどないのに対して、瀬戸内海は干満の差が激しく、潮が高速で流れる海域も有しています。鳴門の渦潮などが当てはまります。瀬戸内海は約3,000もの大小の島々が点在し、一見するとすべてが穏やかそうに思えてもいきなり潮流が速くなる場所もあります。そのため「航海の難所」とも言われています。

 

やはり夜間の航行は危険があり、居眠りによって事故が起きてしまう傾向があります。太平洋上とかなら何かにぶつかる確率は少ないですが、瀬戸内海はいろいろな障害物がありますので衝突の危険が増します。瀬戸内海は島や浅瀬が多いため、少しの油断や居眠りが大きな事故に直結してしまうのです。瀬戸内海は穏やかな海であってもある意味危険が潜んでいる海なんですね。

 

ちなみに、瀬戸内海の海は磯臭さがあまりありません。なぜなら約2,000もの河川が流れ込んでいて淡水の割合が他の海に比べて多いからです。つまり海の水が川の水で薄まっているということです。なので海水浴をしても体があまりベタベタしませんし、塩分濃度も少し薄い海なのです。

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