青い海に囲まれた小さな離島。観光で訪れたことがある人なら、その美しい景色に感動したことがあるかもしれません。でも、ふと疑問に思ったことはありませんか?
「こんな小さな島で、水ってどうやって確保しているんだろう?」
実は、離島の水事情には、都会では考えられないような工夫と努力が隠れています。この記事では、小さな離島がどのようにして飲み水や生活用水を手に入れているのかを、わかりやすくご紹介します。
離島には川がない!?水が貴重な理由
多くの離島はとても小さく、山や大きな川がありません。そのため、本土のように地下水や川の水を使うことが難しいのです。また、雨も季節によって偏りがあるため、水は本当に貴重な資源となります。
そこで、離島では以下のような方法で水を確保しています。
① 雨水をためて使う「雨水貯水」
最もシンプルで昔から行われている方法が、雨水の利用です。屋根に降った雨を集めてタンクにため、ろ過してから生活用水として使います。
もちろん、飲み水として使うにはしっかりと浄化しなければなりません。最近では、高性能なろ過装置を使って、ほぼ完全に安全な水に変える技術も発達しています。
ただし、雨が降らない日が続くと水が不足してしまうため、雨水だけに頼るのは難しいこともあります。
② 本土から水を運ぶ「給水船」
一部の離島では、本土から水を運ぶ「給水船」が活躍しています。これは、大きなタンクを積んだ船が定期的に島へ向かい、貯水タンクに水を補給する方法です。
たとえば、瀬戸内海のある小さな島では、週に1回給水船がやってきて、島民の生活を支えています。この方法はとても確実ですが、コストが高く、天候に左右されやすいという欠点もあります。
③ 海水を真水に変える「海水淡水化装置」
最近注目されているのが、海の水から真水を作る「海水淡水化」という技術です。海水は、約96.5%の水と約3.5%の塩分からなっています。この海水に含まれる塩分を除いて真水を得るのが、海水淡水化技術です。特に沖縄や南西諸島などでは、多くの離島でこの方法が使われています。
海水を高圧でフィルターに通し、塩分を取り除くことで、そのまま飲める水を作ることができます。この技術は最先端で、安定した水供給が可能になります。
ただし、導入や運転に多くの電力やコストがかかるため、島の規模や予算によって使えるかどうかが決まります。
④ 地下水をくみ上げる方法も
中には、地形的に地下水が使える島もあります。地下水はフィルターを通してろ過されることで、比較的安全な水になります。
しかし、地下水も無限ではありません。使いすぎると塩水が混ざってしまう「塩水化」という問題が起きることも。これを防ぐために、使用量をしっかり管理しなければならないのです。
水のありがたさを知る、島の暮らし
小さな離島の水は、当たり前に蛇口をひねれば出てくるものではありません。一滴一滴がとても大切に使われています。
島の人たちは、歯みがきやシャワーの水をこまめに止めるなど、日常的に節水を心がけています。子どもたちも自然と「水を大事にする心」を育てているのです。
まとめ:小さな離島の水には、たくさんの工夫と想いがつまっている
離島では、
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雨水をためる
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給水船で運ぶ
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海水を淡水にする
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地下水を使う
といった多様な方法で水を確保しています。そしてその背景には、自然と向き合いながら暮らす知恵と努力があります。
私たちが普段あまり意識しない「水」ですが、離島の人たちの暮らしを知ることで、きっとその価値に気づけるはずです。