貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

最近、ホバークラフトって見ないよね なんで?

皆さんはホバークラフトをご存知でしょうか。これは海面上を浮き上がりながら走る船です。でっかい浮き輪の上に客室が備わっているかんじの船です。普通の船とは違うので私も子供のころ乗った時にわくわくしました。でも最近ホバークラフトを見るどころか、話題にもあがりません。なぜでしょうか。

 

そもそもホバークラフトが浮く仕組みは、空気を水面に噴射し続けているからです。ファンによって上空から取り込まれた空気を海面に噴射します。海面や水面によって跳ね返された空気は、ホバークラフトの下面と海面の間に空気の層を作り出します。それがエア・クッションとなって浮き上がるのです。

 

でもそれでは浮いているだけで前に進みません。ホバークラフトの後ろには推進用のプロペラが取り付けられていて、それによって前に進むのです。

 

ホバークラフトには数々の利点があります。なんといっても、速いことが挙げられます。船は波の抵抗を受けるので速く走れません。しかしホバークラフトは波による抵抗がないので時速100キロも不可能ではありません。加えて、浮いて走るため水中や地表の環境に与える影響は軽微です。海や湖だけでなく浅瀬や湿地でも走ることができます。

 

では、なんで日本ではホバークラフトを見かけないのでしょうか。メリットがあればデメリットもあります。燃費の悪さが挙げられます。ホバークラフトが水面を進むためには、浮上や推進をするにはファンやプロペラを回し続けなければなりません。この時に多くのエネルギーを消費します。そしてずっと回っているので騒音と振動も大きくなります。

 

また、高い波の影響を受けると大きく揺れて安全に走行することができません。つまり悪天候に弱いのです。なので外洋で用いられることはまずありません。波の影響が少ない場所で走っています。加えて、空気が溜まっているゴムの部分をスカートと呼びますが、これは半消耗品のため、維持交換費用もかかり、運用費を押し上げてしまいます。

 

じつはこのような理由から、2009年を最後に日本国内からホバークラフトによる航路はなくなってしまいました。最盛期には9ヶ所に航路がありましたが、現在は0です。なんだか寂しいですね。

 

しかし2024年に大分から大分空港までの航路が15年ぶりに再開されます。別府湾内での走行となります。唯一日本国内でホバークラフトに乗れるところですので、興味のある方は大分まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

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