貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

ミネラルウォーターの歴史とは?

皆さんはミネラルウォーターを飲みますか。日本の代表的なミネラルウォーターでは南アルプスの天然水、いろはす、アルカリイオン水などが有名ですね。外国のブランドだとエビアン、ボルヴィック、クリスタルガイザー、ヴィッテル、サンペレグリノ、コントレックスなどがあります。

 

一般的に日本のミネラルウォーターは軟水で、欧州のミネラルウォーターは硬水のものが多いです。すっきりとしていて飲みやすいのは軟水です。でもカルシウム塩やマグネシウム塩の量が多い硬水はダイエットや美容目的で選ばれることもあります。

 

今回はミネラルウォーターの代名詞ともいえる「エビアン」について考えてみたいと思います。エビアンというのは町の名前で、フランス南東部にあるレマン湖のほとりにあります。この地は昔から名水の街として有名な場所でした。

 

エビアンが世界的な名水の産地として有名になったのは18世紀のことです。ある貴族が腎臓病の療養のためにエビアンを訪れました。彼は、町の人が泉の水を飲んでいる姿を見て、この水には何か秘密があるのではないかと考え、医師に水分分析を依頼しました。すると、水に含まれるミネラルに体の炎症を静める働きがあり、腎臓病にも効果があることが分かったのです。

 

これによって、エビアンの水は人気となり、多くの人が求めるようになったのです。そして、この町の水を販売する際の商品名を「エビアン」としたのでした。

 

さて、日本ではいつミネラルウォーターが発売されたのでしょうか。明治時代の初めになります。宮内省が兵庫県多田村平野(現在の川西市平野)にある平野鉱泉を使って炭酸水の工場を作り始めます。でもこれは一般に販売されるのではなく、外国人の接待用の炭酸水でした。その後、宮内省から三菱財閥に多田銀山が払い下げられ、1884年に三菱商会が「平野水」として炭酸水を発売し始めます。翌1885年に明治屋が採取権を得て、「三ツ矢印 平野水」(のちに三ツ矢サイダーに発展)として発売しました。

 

このように、日本における最初のミネラルウォーターの販売は炭酸水だったのです。とても興味深いですね。ちなみに欧米では、ミネラルウォーターの原料となる水に元々炭酸が含まれているものがあり、ミネラルウォーターといえば炭酸水を指すことが多いようです。

 

では、日本において炭酸を含まないミネラルウォーターはいつ発売されたのでしょうか。それは1929年に富士ミネラルウォーター社が山梨県下部の土地で湧出した水を「日本エビアン」として発売したのが始まりです。戦時中は敵国の言葉ということで「富士鉱泉水」に名称が変わりましたが、戦後は社名と同じ「富士ミネラルウォーター」に改称され今に至っています。

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