日本は、地震・火山の噴火・大雨被害・台風と様々な自然災害が襲います。そのため日本人の防災意識は高いわけですが、やはり災害は無いに越したことはありません。自然災害が少ない国として挙げられるのがアイスランドやシンガポール、スイスやフィンランドなどです。自然災害が少ないこれらの国の共通点は何でしょうか。
- 財政的安定: 令和4年度の日本の災害復旧等の予算は569億円でした。激甚災害が起きるともっと予算は増えます。災害が少ない国は、災害による復旧費用や被害に対する支出を減らすことができます。これにより、政府の予算が安定し、経済の発展に資する余裕が生まれます。
- 投資環境の安定性: 災害が少ない国は、安定性が高まり、国内外の投資家にとって魅力的な環境を提供できます。これにより、外国からの直接投資が増加し、雇用機会が拡大する可能性があります。シンガポールが当てはまりますね。
- 保険コストの削減: 災害が少ない国では、企業や個人の保険コストが低く抑えられる傾向があります。これは、経済主体にとって経済的負担を軽減し、資金を他の投資や支出に回すことができることを意味します。
- インフラの維持・改善: 災害が少ない国は、災害復旧のためのリソースを割り当てる必要が少なく、インフラの維持と改善に資金を充てることができます。これにより、交通、通信、エネルギーなどのインフラが向上し、経済成長に寄与します。
- 農業と食品供給の安定性: 災害が少ない国では、農業セクターが安定し、食品供給が維持されることが期待されます。これは、食品価格の急激な変動を抑制し、食品安全保障を向上させることにつながります。ただ、アイスランドやフィンランドは寒い地域ですし、シンガポールは国土面積が狭いので農業には不向きです。
- 観光業の促進: 災害が少ない国は、美しい自然環境や文化遺産を保護しやすく、観光業を促進する機会があります。観光は国内総生産(GDP)に寄与し、雇用を生み出すことができます。
- 社会的安定性: 災害が少ない国は、社会的安定性が高まり、犯罪率や社会的不安定要因が低下する可能性があります。政変が起きる時の引き金が自然災害ということはよくあります。
このように、災害が少ないことのメリットを挙げていきましたが、デメリットもあります。天災に備えたリスク管理や災害予測能力の低下、非常事態への対応力の鈍化などが挙げられます。昨今の異常気象によって、今まで自然災害が起きなかった地域でも災害が起こる危険性が高まっています。なので災害が少ないからこそ、災害への備えが大切なのかもしれません。