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なんで東京の南半分に高層ビルがたくさん建てられたの?

東京都には、高さ100m以上のビルが600棟以上あり、大都会を感じさせます。しかしその多くは、東京駅周辺や新宿駅周辺、港区や臨海部など東京の南半分(中央線より南側)に高層ビルがたくさん建てられています。それはなぜでしょうか。そこにはオフィスやマンションの需要、広い土地の供給、そしてデベロッパーたちの働きが大きく関係しています。それぞれを少し詳しく見てみましょう。

 

まず、需要の要因です。東京の南半分、特に中央線より南側は、企業やお金持ちにとって非常に魅力的なエリアとなっています。リッチな企業がオフィスを置きたくなる場所や、裕福な人々が住みたいと思う地域ほど、高層ビルを建てる需要が自然と生まれてくるのです。例えば、六本木や汐留といったエリアは、企業の本社や高級マンションが立ち並び、ビジネスと居住の両方において人気があります。こうしたエリアでは、土地の価値も高いため、開発者たちはより多くのオフィスやマンションを建てることでその需要に応えようとしています。

 

次に、供給の要因についてです。大きなビルを建てるためには、広い土地が必要になります。東京の中央線より南側には、まとまった広い土地が比較的多く存在していました。その土地の多くは、昔の官公庁の移転跡地や、旧国鉄のヤード、さらには工場の跡地や埋立地などです。例えば、汐留や品川駅東口は旧国鉄の土地で、恵比寿の一部はビール工場の跡地、六本木ミッドタウンの場所はかつて防衛庁があったところです。臨海エリアには埋立地が広がっており、これらの大規模な土地が高層ビルの建設に利用されました。逆に、中央線の北側には、このようなまとまった広い土地の供給が少なく、住宅や小さなビルが密集しているため、南側に比べて高層ビルがあまり見られないのです。

 

最後に、デベロッパーの存在が非常に重要な要因となっています。例えば、六本木ヒルズは森ビルという大手デベロッパーが15年もの時間をかけ、500人もの地権者と交渉を重ねて実現させた大規模なプロジェクトです。さらに、森ビルは虎ノ門から六本木にかけて多くの再開発ビルを手掛け、今でもその開発を続けています。また、渋谷駅周辺の再開発では、東急グループが大きな役割を果たしていますし、丸の内エリアは三菱地所による開発が進められています。日本橋は主に三井不動産が開発しています。このような大手デベロッパーたちが、東京の南半分での高層ビル建設を牽引しているのです。

 

一方で、中央線の北側では、こうした大手デベロッパーの影響力があまり及んでいないため、南側ほど大規模な再開発が進んでいません。結果として、東京の南側に比べて高層ビルの数が少なく、住宅や中小規模の建物が多く見られるのです。

 

これらの要因が組み合わさり、東京の南半分には高層ビルが多く建てられています。需要が高く、土地が広く、そしてデベロッパーの力が発揮されたエリアが、今のような大都市の風景を作り上げているのです。

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