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なぜ最近、花火大会が減っているのか?

夏の夜空を彩る花火大会。大きな音とともに夜空に咲く一瞬の光は、見る人の心を奪います。毎年楽しみにしている人も多いはずですが、最近、「あれ?今年は花火大会やらないの?」という声があちこちで聞かれるようになっています。

一体なぜ、花火大会が減ってしまっているのでしょうか?

この記事では、花火大会が中止・縮小されている本当の理由を、できるだけ分かりやすく、そして信頼できる情報にもとづいて紹介します。


1. 火薬の価格が高騰している

まず、大きな理由の一つが火薬の値段が急激に上がっていることです。

この背景には、ウクライナ戦争があります。戦争が続くことで、火薬に必要な原材料や化学物質の流通が不安定になりました。また、軍事目的で火薬が大量に使用されるため、民間の花火業界に回る火薬の量が減ってしまっているのです。

その結果、花火一発あたりのコストが跳ね上がり、運営側が予算を確保できず、泣く泣く中止を決めるケースが増えています。


2. 安全面の強化による人件費の増加

もう一つの大きな理由は、「安全対策」です。

2001年、兵庫県明石市で開催された花火大会では、大勢の観客が駅の歩道橋に集中してしまい、11人が亡くなるという大きな事故が起きました。

それ以降、花火大会では警備員の人数を増やすことが義務に近い形で求められるようになりました。ですが、警備員を雇うには多くの人件費がかかります。特に最近は物価や人件費の上昇により、警備コストも以前の2倍近くになっているとも言われています。

つまり、安全を守るためのコストが、花火大会の開催をますます難しくしているのです。


3. 燃えカスによる損害賠償の問題

花火は美しい反面、「燃えカス」という落とし物を空からまき散らします。

実は最近、「車に花火の燃えカスが落ちて傷がついた」「停泊中のボートに火種が落ちて焦げ跡ができた」といったトラブルが増えてきています。

こうした被害が出ると、主催者側が損害賠償を求められるケースもあり、リスクが非常に高くなっています。保険をかけていても全てをカバーできるわけではなく、「もし何か起きたら…」というプレッシャーが、主催者の肩に重くのしかかっているのです。


4. 花火大会の未来はどうなる?

今後も、火薬の価格や警備の人手不足、安全リスクの問題が続けば、花火大会が“特別なイベント”として限られた場所だけで行われるようになるかもしれません。

ただし、悲観する必要はありません。最近ではドローンを使った光のショーや、LEDによる演出など、技術の進化によって新しい「夜の楽しみ方」も広がっています。

昔ながらの花火とは少し違うかもしれませんが、安心して楽しめる夜空の演出が、新しい夏の風物詩になる日も近いかもしれません。


まとめ

なぜ最近、花火大会が減ってきているのか。その理由は次のようなものでした:

  • ウクライナ戦争による火薬価格の高騰

  • 安全面強化による警備コストの増加

  • 燃えカスによる損害リスクの増加

どれも現実的で、運営側が簡単には乗り越えられない問題です。

それでも、花火大会を愛する人々の声や、地元を盛り上げたいという思いがある限り、私たちはまた、あの夜空に大輪の花を見ることができるはずです。

今年、もし近くで花火大会があるなら、ぜひ見に行ってみてください。もしかすると、それが貴重な「奇跡の一夜」になるかもしれません。

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