ちょっとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

アメリカはなぜ自由の国なのか

f:id:pointia:20190511001613j:plain

自由の国といえば誰しもアメリカ合衆国と答えるでしょう。しかしなぜ自由の国と言われているのでしょうか。


自由の国と言われ始めたのは最近の事ではありません。アメリカという国ができた頃にまでさかのぼります。アメリカの歴史は新しく、約400年前にイギリスで抑圧されていたキリスト教の清教徒(プロテスタント)たちがアメリカ大陸の東海岸に渡ったことが始まりになります。ですからアメリカを開拓した人たちは元をたどればイギリス人ということになりますね。


アメリカ東海岸にはイギリスの植民地が13ありましたが、イギリスへの不満もあり戦争を始めます。独立戦争です。そして1776年7月4日、13の植民地が正式の独立を宣言し13の州ができます。この日が独立記念日となったのです。英語ではインデペンデンス・デイ(Independence Day)です。その後、州を増やしてゆき現在のアメリカ合衆国になりました。


新しくできたアメリカには、当時のヨーロッパなどで主流だった身分階級制度や格差はありませんでした。宗教ゆえに迫害されることもありませんでした。それゆえ今までの呪縛から解かれたアメリカは「自由の国」と呼ばれるようになったのです。


「自由の国」という言葉はとても響きがいいですよね。解放感にあふれています。当時のヨーロッパでは生まれた時から身分が決まっていてどんなに努力してもヒエラルキーの上に行くことは出来ませんでした。しかし歴史の浅いアメリカでは皆がほぼ横一線のスタート状態です。頑張れば多くの富を得ることができます。独立直後のアメリカではあらゆる産業をゼロから立ち上げる必要があり、工業や農業など、才覚があれば誰でも巨万の富を得られる状況でした。それゆえ成功を求め多くの国の人がアメリカに渡ってきたのです。


ただ、アメリカ人(白人)は自由を得たと言っても、その陰には自由を剥ぎ取られた人々がいるのも事実です。それはネイティブ・アメリカン(インディアン)とよばれる人たちです。1000万人以上のインディアンがもともとアメリカ大陸に住んでいましたが、白人たちの「開拓」という名の「侵略」によって数を減らしてゆきました。銃を持っていた白人には敵うはずがありません。また、黒人の奴隷も都合よく利用してきた過去があります。ですから、アメリカ人の自由が彼らの苦しみから成り立っているということも忘れてはなりません。


アメリカと日本では国の成り立ちや人種、文化や価値観があまりにも違います。日本人にとっての自由は「なんでも自由」というイメージがあるかもしれませんが、アメリカにおいての自由は「自らが獲得して得るもの(権利)」という感覚があるのではないでしょうか。アメリカ人にとって自由というのはとても大切なものであるに違いありません。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村