昔見た映画で「ターミナル」というものがありました。トムハンクス主演の映画です。クラコウジア国（架空の国）を出発した後にクーデターが起こり、クラコウジア政府が消滅。そのため、彼のパスポートは無効状態となった結果アメリカ入国が出来なくなってしまい、空港に住み着くことになるというストーリーです。
国が消滅してビザが無効になるということはまずないでしょう。実際に空港に住み着く理由は、亡命や難民申請、旅行中の災難などだそうです。調べてみると、日本に関係した場所や人物も見受けられました。
●マイケル・オ・マミィンさん 国籍はカナダ（出身はナイジェリア）
成田空港第一ターミナルに91日間滞在しました。
日本で同じ故郷のナイジェリア人の友人と待ち合わせて、ナイジェリアに帰ろうと考えたようですが友人とは連絡が取れず、そのうち所持金が尽き、91日間空港に居続けることになりました。滞在許可されていた90日を超過したため、東京入国管理局によって抑留され、ナイジェリアではなく、出発地のカナダへ強制送還されました。結局友人は現れませんでした…。91日間も連絡のない友人を待ち続けられたことに敬意を表したいです。
●野原弘司さん 日本人
メキシコ・シティ国際空港（メキシコ）に117日間滞在しました。
当初は観光目的でメキシコのホテルに滞在していましたが、所持金が少なくなってきたため、空港での寝泊まりを開始。次第にメキシコのメディアは「面白い日本人がいる」とのうわさを聞きつけ、メディアからの取材があるなどメキシコで人気を博すようになった。私も日本でも報じられていたので見ていました。色々な差し入れなどもらって生活していたようですが、その後、オユキと名乗る女性と共に、空港を去っていったようです。
●安保鉄也さん 日本人
シェレメーチエヴォ国際空港（ロシア）に68日間滞在しました。
ジャーナリストを自称し、政治的な動機で帰国しないと説明。「アメリカ流の偽りを書くことに疲れた」「偽りだらけの土地へ帰るよりも、ここ（空港）でお腹をすかせながら暮らすほうがよい」と主張。ロシア国籍の取得を望んでいたようですが、日本での政治的な迫害の証拠がないとして政治亡命をロシア側は拒否し、帰国することとなった。
最長記録は、イラン人がパリ＝シャルル・ド・ゴール空港（フランス）に18年近く住んでいました。ものすごい長さですよね。このような例を見ると、意外にも空港職員は寛容なんですね。結論として、「空港は安全で心地良い場所」ということが分かりました。といっても、真似する方はまずいないでしょうが…。
