飛行機は離陸するにも着陸するにも滑走路を必要としますが、何らかの事情で滑走路が使用できない場合があります。dそれは安全運行上やむを得ない場合です。では、どんなやむを得ない理由があるのでしょうか。
①気象
滑走路ごとに定められた最低気象条件というものがあります。飛行場の施設、飛行場およびその周辺を含む地形、航空機の種類などによって異なります。着陸時に視界が悪かったり、強風などの理由で最低気象条件を満たしていない場合、滑走路は閉鎖されます。空港や飛行場の施設が高精度になるほど、飛行場最低気象条件の値は低くなり閉鎖されにくくなります。
②雪の影響
雪が多く降る地域では頻繁に除雪作業をしています。なぜなら滑走路に雪が積もってしまうと飛行機がスリップしてしまうからです。滑走路の横幅は60m、45mで非常に広大なため、10台ほどの雪かき車が一気に雪をかいていきます。しかし滑走路だけ雪をかくわけではありません。誘導路なども除雪が必要ですのでドカ雪が降り続いた時は数時間滑走路が閉鎖されてしまいます。
③機体トラブル
滑走路に入ってきた飛行機がトラブルを起こして動けなくなった場合、当然滑走路は閉鎖されます。タイヤがパンクして自走が出来なくなったり、機体を曲げられない、などの場合トーイングカーがやってきて機体を引っぱって移動させます。その後滑走路に不具合がないか確認する作業がありますので、その間は閉鎖されます。
④人の侵入
このケースは極めてまれですが、人が滑走路を歩いているとセンサーが感知して滑走路を閉鎖します。実際に羽田空港で人が侵入して閉鎖されたことがあります。ランニングシャツ姿の男性が滑走路を横切っている姿を監視カメラがとらえ、3本の滑走路が2時間20分にわたって閉鎖しています。この男性は、機内清掃を請け負っている会社の中国籍のアルバイト職員だったようで、滑走路に侵入した理由は「海のそばで体操をしたかった」ということです…。確かに滑走路上で目の前が海なら、体操したいと思うのも無理はありませんが、これはどう考えてもアウトです。その後、この男性は就学ビザが切れた不法滞在者だったことが発覚しました。壮大なうそをついたものですね。
今回は空港の滑走路がどんな時に閉鎖されるのか考えてみました。閉鎖された場合、パイロットだけでなく地上スタッフも大変だということが分かりました。普段なにげなく利用している空港ですが、空港スタッフ皆さんの努力のおかげで成り立っていることを忘れないでいたいと思います。