金の円建て価格が約40年ぶりに最高値を更新するなど、価格が高騰し続けています。金は戦争や金融危機の際にも価値が暴落しにくいことから、「有事の安全資産」といわれています。新型コロナウイルス感染拡大による経済の先行き不安と通貨安懸念を理由に、金相場の上昇傾向は続くと予想されています。株や債券などは価値が無くなることがありますが、金はその心配がありません。
それゆえ多くの人が安全資産である「金」を購入しているのです。しかし、なぜ金の値段は高額なのでしょうか?
金はジュエリーや硬貨、投資の対象などさまざまな分野で活用されています。そして歴史も古く、紀元前6000年頃より装飾品として価値を認められている物質でもあります。歴史の古さゆえ信用力があるのです。古代エジプトにおいても金は貴重なもので、ツタンカーメンの黄金マスクには金が使われているように、人類が金を見つけて以来多くの時代と地域で重宝されてきたのです。
金は錆びにくい貴金属ですので装飾品だけでなく、金貨、地金、電子機器、精密機械にも使われています。特に加工のしやすさと耐久性の高さから、日常で使う多くの電化製品に欠かせない金属ともなっています。地球上の金は枯渇しつつありますが、電子部品の中には金が使われていますのでそこから金を取りだしています。このように電子部品に金が入っていますので、そのことを「都市鉱山」とも呼ばれています。
また、金には美しい輝きの見た目と採掘総量の少なさから、高い希少性を持っています。今まで地球上で発掘された金の総量は約18.3万トンで、これはオリンピックの公式プール約3.8杯分しかないほど少量です。現在、地球に埋蔵されている残りの金は、約5.3万トンしかありません。ということは、今地球上にある金の総量は約23万トンということになります。ちなみに地球上に存在するといわれている銀の総量は140万トンですので、金がいかに希少性のあるものかが分かります。
また、金が買われる理由としてどの国においても価値のあるものとみられているというのがあります。それゆえ流動性が高い金融商品ともいえるでしょう。
今後もコロナの影響が続いていけば、現物資産&金融資産としての金の価値はますます騰がっていくと見られます。