貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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スイスって昔は貧しかったってほんと?

スイス マッターホルン

スイスといえば何を思い浮かべますか。時計やアルプスかもしれません。はたまた金融&銀行業でしょうか。スイスはヨーロッパの中でも裕福な国の一つとして有名ですが、昔から裕福だったわけではなかったようです。そもそもなぜ貧しい国だったのでしょうか。

 

スイスは山岳地帯に覆われた中央ヨーロッパの内陸国です。北はドイツ、西はフランス、南はイタリア、東はオーストリアとリヒテンシュタインに囲まれていて、南部にはアルプスの少女ハイジで出てくるようなアルプス山脈を抱えています。国民の大半が標高600m前後のスイス高原に住んでいます。国全体の標高が高いんですね。

 

スイスが今のように裕福な国になったのは第二次世界大戦後です。それまでは貧しい国でした。なぜなら天然資源が無く、穀物が育たない土地だったからです。石油も鉱石も食べ物も無いということで、19世紀までは5人に1人が貧しいスイスを捨て、生きるために国外へ出たと言われています。最も人気の就職先がフランスやイタリアなど外国軍の傭兵でした。現在は禁止されていますが、唯一バチカンだけは許されています。

 

囲まれている国を見ると、ドイツやフランスやイタリアなど大国に囲まれています。戦争に巻き込まれてもおかしくなさそうですが、お金と人員をかけてまでスイスを征服するメリットは無かったのです。中立を決めていたとはいえスイスにも軍隊がありましたし、仮にスイスを獲ったとしても得るものがなければ獲る意味がないからです。スイスは地理的に生活していくには大変な場所だったわけですね。

 

このように資源が無かったスイスですが、ほかの分野で稼いでいきます。それが銀行業です。UBSやクレディ・スイスなどの銀行は日本にも進出しています。これらプライベートバンクは、顧客の情報を守秘し、外部には漏らしません。それゆえ多くの資産家や政治家などが多額の資産をスイスの銀行に預けています。これらのスイスの銀行は、もともと各地に散っていた傭兵たちから故郷への送金を受けるために発達していったもので、銀行業は中世から発達していました。

 

その他には保険業(チューリッヒ保険やスイス・リー)、時計(オメガ、ロレックス、オーデマ・ピケ)や精密機械や化学などの製造業、山岳地帯を活かした観光業がスイスの強みとなっています。昔は貧しかったと言っても、今のスイスからは想像しづらいですね。

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