先日、横浜中華街に食事に出かけた際、あることに気が付きました。それは、〇〇楼、〇〇飯店、〇〇閣、〇記などの名前が付いたお店がたくさんあったということです。確かに中華料理のお店に行くと、このような名前は多いですよね。ということで、今回はこれらの名前の意味について考えたいと思います。
・〇〇軒
来々軒など日本で“軒”が使われているとラーメンを出している大衆食堂のイメージではないでしょうか。この軒は中国では使われないようです。日本独自の名前で、日本で最初のラーメン屋さんがまさに来々軒で、その名前にあやかろうと自分の店の屋号を〇〇軒と付けたとのことです。
・〇〇楼 〇〇樓
どちらも“ロウ”と呼び、「楼」は「樓」の略字ですので、この2つは同じものになります。この漢字は高く作った建物を意味します。つまり二階建て以上の建物です。見晴らしが良いですよと謳っています。
・〇〇閣
“閣”とは御殿や櫓など高所の建造物を意味しており、高く構えた建物を指します。前述の楼と合わせて楼閣という言葉もありますよね。ですから意味的には楼も閣もだいたい同じと見てよいでしょう。
・○○飯店
飯店もよく見かけますね。中華料理を出すレストランの意味があります。日本で有名なものといえば重慶飯店ですかね。しかしこの飯店というのはホテルという意味も持ち合わせており、少しややこしいですね。台湾では飯店と書かれていればホテルを意味します。また、似たようなものとして〇〇酒店と書かれていれば完璧にホテルになります(酒屋じゃないよ)。
・〇〇菜館
中華料理店という意味です。
・〇〇餐館
餐館とは中国語でレストランを意味します。ちょっとお高め。
・〇〇記
「記」は日本の「屋」に似た意味合いを持ちます。日本で言う越後屋や紀伊国屋などに該当します。
こうやってみると、いろいろな名前が付けられているんですね。似た意味を持つ名前ですが、格式や規模、店主の好みなどが表れているようです。もし皆さんが中華料理の店を出すとしたらどんな名前を付けますか?