貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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【未来が見える島】その対岸には【過去が見える島】 どこにあるの?

f:id:pointia:20210610220440j:plain写真はwikipediaから参照
 

未来が見える島、過去が見える島、これだけ聞くとSFチックでなんだかワクワクしますね。でも実際にこのような島が存在します。今回は未来が見える島と過去が見える島について書いていきます。

 

皆さんはダイオミード諸島というのをご存知でしょうか。ほとんどの方は聞いたことがないかもしれません。でも興味深い島ではあります。ダイオミード諸島はアメリカのアラスカとロシアの間にあるベーリング海にある2つの島からなる諸島です。大きい島がラトマノフ島といい、小さい島がリトルダイオミード島です。2つの島の間は、最も近いところで3.8キロメートルしか離れていません。

 

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写真はwikipediaから参照:リトルダイオミード島(左)とラトマノフ島(右)

 

面白い点として、同じ諸島であるにもかかわらずラトマノフ島はロシア領、リトルダイオミード島はアメリカ領となっていて、別々の国に属しています。ですからこの2つの島の間に国境が引かれているだけでなく日付変更線も引かれているのです。

 

もう表題の意味が理解できたと思いますが、アメリカ側のリトルダイオミード島からロシア側のラトマノフ島を見ると、未来が見える島となるのです(ロシアの方が1日進んでいるため)。同様にロシア側から見れば、リトルダイオミード島は過去が見える島となるのです(アメリカは1日遅いため)。このため、2つの島は「明日島」(Tomorrow Island)、「昨日島」(Yesterday Island)と呼ばれることもあるそうです。

 

寒い地方にある島なので冬場は海が凍ります。そのため冬場は歩いて島を行き来することができます。しかし目には見えませんが国境が引かれていますので勝手に渡ってはいけないのです。「俺、未来に行って過去に帰って来たんだ~」なんて自慢出来ませんので、ちょっと残念ですね…

 

ラトマノフ島は現在ロシア軍の関係者が駐留していますが、リトルダイオミード島の方は100人程度住んでいるそうです。学校や郵便局、商店や診療所などがありますし、ヘリポートも作られています。そのためヘリでこの島に行くことは出来ます。

 

同じ諸島にロシアとアメリカの島があるなんてすごいことです。そして両国はあまり仲が良くありませんので、冷戦時代にはここが本当の意味で前線地帯だったんでしょうね。もともとアラスカはロシア領でしたが、アメリカは1867年にアラスカを購入しました。その時にこのダイオミード諸島で国境を引いたということです。そのためこの2つの島は未来と過去が見える島と言われるようになっていったのです。

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