貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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浦和と大宮はなぜお互いライバル視しているの?

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埼玉県には浦和と大宮という大きな町があります。JRで東京から埼玉方面へで行かれる方は駅の大きさや乗降客数の多さをご存知でしょう。浦和駅と大宮駅は電車でたったの6分しか離れていません。とても近いのに互いをライバル視しています。なぜでしょうか。

 

サッカーには同じスタジアムや近隣地域との試合をダービーと言います。Jリーグの中で一番白熱するのが埼玉ダービーと言われています。浦和レッズと大宮アルディージャ戦です。浦和レッズはJリーグ発足からいる古参クラブで多くのファンがいます。それに負けじと食い下がる大宮アルディージャ。埼玉ダービーでは罵声やブーイング、過激な横断幕が掲げられるなど、スタジアムの雰囲気が他のチームとの対戦とは違ったものとなります。

 

現在の浦和と大宮は「さいたま市」にあり人口132万を有する大きな自治体となりました。しかし2001年までは浦和市と大宮市は別々の自治体で、どちらの住民も地元愛が強いため、合併から20年経った今もお互いをライバル視しています。ちなみにさいたま市に合併する前の旧浦和市の人口は48万、旧大宮市の人口は45万ですので人口の面を見ても差はほとんどありませんでした。

 

浦和には埼玉県庁、地方裁判所、テレビ埼玉、NHKさいたま放送局、県立図書館、県立美術館など重要施設が集中しており、国内有数の公立進学校である県立浦和高等学校や埼玉大学があることから行政および文教都市として機能しています。

 

対して大宮は新幹線も停まる県内で最も大きい駅で、駅前にはオフィスビルやデパートが立ち並び商業地として栄えています。もともと大宮駅北側に「日本鉄道大宮工場」(現・大宮総合車両センター・大宮車両所)があったことから、大宮は昔から鉄道の街として発展していきました。

 

この色合いの違う2つの大きな市を1つにして更なる発展を目指そうと昔から議題に上がっていましたが、お互いをライバル視しているため合併の時にも市の名称をどうするか、市役所はどこに設置するかで揉めています。自分の市の名前を存続させたいのは当然です。結局新しい市の名前はどちらの名前も採用されず無難な「さいたま市」に落ち着くことになりました。また、合併するにあたり新市役所は浦和と大宮の中間に位置する新都心周辺に移転する計画でしたが、市役所は依然として浦和にあり、多くの市民も移転反対を唱えていることから移転計画は白紙になっています。

 

距離的にも近い町同士ですが、お互いをライバル視する風潮は変わりそうもなく、埼玉ダービーもまだまだ熱い戦いが見られそうです。

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