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鉄道路線の中で直線が長い区間はどこ? 世界一は?

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東京の鉄道路線図をGoogleMapで見ていると、これでもか、というほど左右にカーブしています。特に地下鉄は、道路の下を走る区間が多いため、それに合わせてカーブもきつくなっています。曲がる際にレールと車輪がこすれる音がよく聞けますよね。また地上区間においては、人が住んでいる場所に線路を通そうとすると建物を避ける必要があるためカーブが多くなります。

 

さらに、日本の地形は複雑なので山や川を迂回するためにはカーブを作らなくてはなりません。カーブがあると列車はスピードを抑えなければなりませんし、所要時間も増えます。また建設費も高くなります。鉄道事業者としては可能ならカーブは減らしたいと考えているでしょう。そんな中、何キロにもわたって直線区間が続いている場所があります。今回は「直線区間」について考えてみたいと思います。

 

直線区間が一番長いのは、北海道の室蘭本線にある白老駅の東約2kmの地点から沼ノ端駅までの28.7kmです。これはどのくらいの長さかというと、東海道線で例えるなら東京-横浜の距離(28.8km)に相当します。東京-新橋-品川-川崎-横浜の区間(約26分)が全て直線になると考えるならその長さが驚異的だということが分かるのではないでしょうか。土地がある北海道だからこそ敷設できたのかもしれません。

 

先に3位を発表します。これも北海道にあり、函館本線の光珠内-滝川間の22.9kmです。ちなみに鉄道に並走して走っている国道21号の滝川市-美唄市間29kmは、日本一長い直線道路になっています。

 

順番が入れ替わってしまいましたが2位の発表です。2位は首都圏にお住まいなら馴染みのある鉄道でしょう。それは中央本線の東中野-立川間25.3kmです。ご存知オレンジ色の中央線です。大都市東京にこれほどまでの直線区間を作れたのはなぜでしょうか。

 

もともとこの路線は、国鉄になる前の甲武鉄道が鉄道を建設しました。開通は1889年のことです。今でこそ沿線には商業地・住宅地が密集していますが、建設当時は沿線人口が希薄で雑木林が茂っている未開の地でした。そのため線路を直線にすることが可能だったわけです。

 

しかし、直線と言っても駅に近づけばレールは膨らみますし、分岐する際は当然レールが曲がっています。レールが直線というわけではありません。鉄道や道路は敷地の中心線が直線なら、多少レールが曲がっていても直線に入るわけです。

 

ちなみに世界一長い直線区間は、オーストラリアの東海岸のシドニーと西海岸のパースを結ぶ、インディアン・パシフィック鉄道になります。その距離なんと478kmになります。ナラボー平原を直線で駆け抜けるという、なんともスケールの大きな鉄道です。東京-京都間を直線で結んでいるようなものです。上には上がいますね。

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