貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで羽田空港と浜松町の間がモノレールなの?

f:id:pointia:20220307171547j:plain

羽田空港を利用される方や、首都高速道路を運転する方ならモノレールの存在を知っていることでしょう。このモノレールは「東京モノレール」といい、山手線が走っている浜松町駅から羽田空港第二ビル駅までの17.8kmを結んでいます。都心からならこのモノレールか京浜急行を利用して羽田空港に行く方は多いのではないでしょうか。空港快速を使えば、最短18分で空港第2ビル駅まで行くことができます。しかし疑問がわきます。なぜ浜松町と羽田空港の間は鉄道ではなくモノレールにしたのでしょうか。

 

東京モノレールの開業は1964年です。この年にあったイベントといえば東京オリンピックです。外国からたくさんの人が日本にやって来るのですが、この時代はまだ成田空港がありませんでしたので、多くの外国人が羽田空港を利用することになります。そこで多くの人を都心に輸送するためにモノレールが作られました。

 

鉄道にしなかった理由として、オリンピックの開幕まで時間が限られている中、用地買収に時間がかかりそうだったからです。そこで、浜松町と羽田空港の区間は、敷地面積が狭くてすむモノレールが採用されることになりました。乗られた方は分かると思いますが、モノレールが走っている区間は京浜運河沿いのかなり高い場所を走っています。そこでなら用地の買収は容易です。当然建設費も安く済みます。

 

東京モノレールは、すでに東京の市街化が進んだ後に建設することになったため、道路や運河の上などを出来るだけ邪魔にならないように敷設する必要がありました。やはり総合的に考えて当時は鉄道ではなくモノレールを採用するしかなかったみたいです。

 

もちろん、モノレールにもデメリットがあります。普通の鉄道路線ほど多くの乗客を運ぶことが出来ません。昨今は外国人も増えていますので開業当初には想定していなかった人がモノレールを利用することになりました。それでも京急やリムジンバスなどの選択肢もありますのでそこまで問題とはなりませんでした。

 

ほかのデメリットとしては、事故があった際、モノレールは運転再開に時間がかかってしまうという点があげられます。高い場所を通っていますので、乗客を短時間で助け出すのが難しくなります。救援列車を反対側に停めて乗客を移送することになりますが、停電になったらそれもできなくなります。

 

また、鉄道とは違いモノレールは他の路線と直通運転できません。なので延伸しない限り中途半端な浜松町駅が終点です。

 

今回は、なぜ羽田空港と浜松町の間がモノレールなのかを考えました。本当なら鉄道が良かったのかもしれませんが、当時としてはモノレールがベストチョイスだったということです。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村