貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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コンテナ船って何がすごいの? 流通の革命と言えるのはなぜ?

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写真はwikipediaから参照

普段生活していて、コンテナ船を見る機会はほとんど無く、馴染みも無いでしょう。それでも私たちが購入する商品の多くは海外から入ってきています。そのほとんどがコンテナ船で運ばれてきています。このコンテナ船がいかに素晴らしいかを今回お伝えしたいと思います。

 

貨物船の代表格と言えば、まずタンカーがあります。これは船の中にタンクがあるのでそう呼ばれています。液体を輸送するための船で、石油タンカーやLNGタンカー(液化天然ガス)などあります。もう一つはコンテナ船が挙げられます。コンテナとは鉄の箱のことで、現在定期船の多くはコンテナ船が占めています。コンテナ船なくして、海上輸送は立ち行かないと言っていいでしょう。

 

コンテナ船の登場で、世界の物流が大きく変わりました。実はコンテナ船が登場したのは比較的最近の1956年で、トラック会社を経営していたマルコム・マクリーンが、タンカーを改造しコンテナを載せて海上輸送を始めました。それ以前は、大型貨物船を用いて海上貨物輸送を行ってはいましたが、貨物一つ一つを梱包する手間や、貨物に合わせた荷役(にえき。積荷の揚げ下ろしのこと)を人力で行う必要があったことから、時間・人件費といったコストは膨大でした。また、積み下ろしに時間がかかるため、輸送の回転率も落ち、輸送スケジュールも読みづらいというデメリットがあったのです。

 

そこでマクリーンはコンテナという大きさが統一された箱を使えば、時間短縮になるのではないかと考えました。コンテナであれば貨物の梱包の手間を減らせますし、積み下ろしも機械(ガントリークレーン)で行うことで、大幅なコストダウンができます。また、国際規格に則ったコンテナを用いることで大量に船に積載することができるため、輸送の回転率が上がり、船内にコンテナをきっちり重ねてゆけば無駄なく詰め込むことができ効率も上昇しました。加えて、雨の日にも積み下ろしができるというのも正確な運航スケジュールに寄与しました。

 

流通のスタイルも変えました。荷物をコンテナに入れ、トラックや鉄道を使って港に運び、クレーンによってコンテナ船に載せます。目的地まで運び、再びコンテナを降ろし、トラックと電車で相手先まで運ぶというスタイルを確立しました。何がすごいかというと、一度入れた荷物をコンテナから出すことなく相手先に送ることが出来るという利点があります。それまでの3分の1の時間で相手先に荷物を届けることが出来るようになったので、コンテナ革命と呼ばれています。コンテナ船ってすごかったのですね。

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