貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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京成バスが走らせた超ロングなバスとは?

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写真はwikipediaから参照

私が千葉に住んでいたころ、千葉ロッテマリーンズの試合を見にたびたび利用していたバスがあります。それが「連接バス」です。もしかしたら分からない方もおられるかもしれませんが、連接バスはその名の通り、二つの車体をくっつけたバスです。長さは18メートルもあり、かなり長いバスです。通常のバスが10メートルそこそこですので、約2倍の長さになります。定員も140名とかなり乗せることのできるバスです。

 

連接バスを走らせていたのは「京成バス」です。1998年から走っています。このバスは幕張本郷駅と海浜幕張周辺を結んでいた路線ですが、なぜここに投入されたのでしょうか。海浜幕張周辺には、千葉ロッテマリーンズのマリンスタジアム・幕張メッセ・千葉運転免許センター・オフィス街などがあり1990年以降、利用者が急増しました。そのため頻発運行していましたが需要に対応しきれず、連接バスを本格的に導入することになったのです。幕張本郷駅の朝はバスに乗る客で長い行列が出来ていました。

 

海外では早いうちから連接バスが走っていましたが、日本では道路運送法に引っかかるなどで導入が遅れていました。本格的に走らせたのは京成バスですが、最初に導入されたのは1984-1985年の「つくば科学万博」の時です。100台導入されています。運行区間は万博会場と常磐線の臨時駅である万博中央駅(現在のひたち野うしく駅)の間でした。大勢の来場者が予想されたので、輸送能力の高い連接バスが採用されたのです。

 

万博が終わると、連接バスはお役御免になります。多くは海外へ売却されましたが、一部はエアポート・リムジンでおなじみの東京空港交通に売却されました。東京空港交通では一部がランプバスで使われています。ちなみにランプバスとは、空港のターミナルビルから遠く離れた駐機場にいる機体までの移動手段として使われているバスです。その他は、東京シティエアターミナルと成田空港を結ぶ路線に連接バスを投入します。しかし道路交通法の問題で、渋滞の際に一般道に降りられないなど、運用に制限があったため使用中止になります。

 

法律の足かせや、料金を支払うのに時間がかかるなどの理由で、なにかと使い勝手がよくなかったため連接バスは普及してきませんでした。それでも地方の事業者が細々ではありますが走らせています。

 

連接バスは内輪差が大きいため、広めの道路でないと走れません。また18メートルもありますので大都市で運行するとなると運転手はかなり気を使うでしょう。加えて、今後は人口減少も加速していくことから主役になるバスではなさそうですね。

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