菊正宗。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。CMでも流れていたので「あぁ日本酒の菊正宗ね」と知っておられる方も少なくありません。菊正宗をはじめ、日本全国には多くの○○正宗が存在します。なんで日本各地に日本酒の「○○正宗」があるのでしょうか。由来はどこから来ているのでしょうか。
まず正宗と聞いて思い浮かべるのは伊達政宗ではないでしょうか。伊達政宗は東北の戦国大名で、眼帯を付けていたことから独眼竜で有名な武将であります。多くの人に人気な武将でもあります。また、名刀正宗も有名ですね。しかし日本酒の正宗の由来は伊達政宗や刀の正宗から来てはいません。
由来は定かではないようですが、有力な説としては、1840年に神戸の灘にある酒造会社の「山邑酒造」の6代目が、京都の元政庵瑞光寺に行った際に、机の上にあった「臨済正宗」と書かれた経典を見て日本酒にこの「正宗」の名前を付けたと言われています。加えて、正宗の音読みが「セイシュウ」で「セイシュ(清酒)」に似ていることから縁起が良さそうだと思ったようです。
現代でも灘のお酒は有名ですが江戸時代でも灘の日本酒は人気だったようで、神戸から遠い江戸でも多くの人に飲まれるようになりました。「正宗」もその一つです。正宗の人気にあやかろうとして、次第に全国各地で「正宗」の名を付けた蔵元や酒名が現れるようになっていきました。そのため今では全国津々浦々「○○正宗」が存在するようになっています。
では、どんな○○正宗があるのでしょうか。一部紹介します。
地名+正宗
森正宗(北海道) 山形正宗(山形) 甲州正宗(山梨) 名古屋正宗(愛知)
一文字+正宗
寿正宗(青森) 福正宗(石川) 都正宗(京都) 一正宗(広島) 鷹正宗(福岡)
カタカナ+正宗
スキー正宗(新潟) クツワ正宗(富山) アルプス正宗(長野) ヤマサン正宗(島根) キンシ正宗(京都)
まだまだ多くの正宗を冠した銘柄があり、本当に愛されている名前であることが分かります。今回は日本酒で有名な正宗に関して取り上げました。みなさんはどの正宗を飲んだことがあるでしょうか?