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目黒といったら「さんま」でしょ でも「さんま祭り」多くない?

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目黒と聞いたら何を思い浮かべますか。高級住宅街があり、雰囲気自体がおしゃれで、落ち着いているイメージがあります。しかし目黒といえば何といっても「秋刀魚(サンマ)」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 

目黒は特に海に面している場所ではありません。東京湾は遠くないとはいえ、東京湾でサンマは獲れません。まれに回遊していたサンマが入り込むということはありますが、基本は太平洋などの外海で獲られています。では、なぜ目黒がサンマで有名なのでしょうか。

 

それは落語の影響です。「目黒のさんま」という落語の演目があり、それが元となっています。どんな内容かというと、

 

とあるお殿様が目黒に立ち寄った際、途中で空腹になりお百姓さんに焼き立てのサンマを分けてもらいました。お屋敷に戻ったお殿様は、脂が乗ったサンマの味がどうしても忘れられなくて、家来に「サンマが食べたい!」と言います。しかしサンマは身分の低い者が食べる魚だったため、お屋敷にあるはずもなく、家来は必死にサンマを探しに行きます。ようやく日本橋魚河岸でサンマを手に入れ、お殿様に出すために丁寧に蒸して脂を落とし、身をほぐして出しましたがお殿様は一口食べるなり「このサンマ美味しくない。どこから取り寄せたんだ?」と尋ねたところ、家来は「日本橋魚河岸です」と答えました。それを聞くなりお殿様は「それはいかん。サンマは目黒に限る」と言ったという話です。

 

これはお殿様の世間知らずを笑った庶民の落語です。でも、これが有名な落語の演目だったので、目黒=サンマのイメージがつきました。これを好機ととらえた目黒はさんま祭を行なう事になったのです。

 

さて、目黒のさんま祭りは耳にすることがあると思いますが、実は2か所で行なわれていて、品川区と目黒区でさんま祭りが行われているのです。「なぜ品川区で?」と思うかもしれませんが、目黒駅は品川区にあります。そのため目黒駅前の誕生八幡神社で行なわれるさんま祭りは品川区上大崎の「目黒のさんま祭り」という名称で、岩手県宮古産のサンマが使われ、すだちをかけて食べます。

 

対して、目黒区目黒で行なわれるのが「目黒のSUNまつり」で、目黒川沿いの田道広場公園でサンマが振舞われます。こちらは宮城県気仙沼産のサンマを使用し、カボスをかけて食べます。

 

それだけでなく、目黒駅の隣にある渋谷区恵比寿では「となりの恵比寿サンマ祭り」、東京タワーでは「三陸・大船渡東京タワーさんままつり」、目黒に対抗して目白でも「目白のサンマ」として一部の飲食店で提供しています。東京各所でサンマ祭りが行われているんですね。

 

想像していたら何だかサンマ食べたくなりませんか?

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