最近、地図上で船が表示されるアプリをダウンロードしました。普段、海岸から海の方向を見ても船の数は数隻、場合によっては一つも見えない時があります。だから大していないんだろうと思っていましたが、アプリを開くと世界中に無数の船が走っていて、いろいろな種類の船があることを知りました。ただ単に自分が見えていなかっただけだったのです。
このように見えていないだけで、世界中には無数の船が航海しています。では船をいちばん所有している国はどこなのでしょうか。アメリカや中国など貿易大国がたくさん所有しているイメージがありますが、実際は「どこ?」という国ばかりです。
2020年の調べですが、船をいちばん所有していた国は中米にあるパナマです。パナマ運河で有名な国ですね。南北アメリカのいちばん細く、くびれている箇所で、太平洋と大西洋をつないでいるのがパナマ運河です。お世辞にも大きいとは言えないパナマがいちばん船を所有している国になります。保有しているトン数表示ですが、パナマは2億2,643万総トンの船を持っています。
2位がアフリカにあるリベリアで1億8,753万総トン、3位が太平洋に浮かぶマーシャル諸島で1億6,573万総トンになります。ここで、疑問が湧くことでしょう。「なんでこんな小さな国がたくさんの船を持っているんだよ!」このように感じるのも無理はありません。
パナマ、リベリア、マーシャル諸島に共通するものとして、船にかかわる税金が安く、安い外国人船員を雇うことができます。そのため運航費用を下げることができます。また手続きも簡易ゆえ、世界各国の船会社がこぞってこれらの国に籍をおくのです。こういった船を便宜置籍船(べんぎちせきせん)と言います。
よく、海難事故を起きた時に、「日興汽船が保有するパナマ船籍の船が…」という報道を耳にします。日本の会社が保有しているのにパナマの名前を耳にすることが多いのはこのような理由があるのです。人間にも国籍があるように、船にも船籍というものがあるためです。
ですから、上記のこれらの国は、自国の輸送や貿易のために船を持っているのではなく、外国船誘致を積極的に行い、海外の会社のために籍を与えて利益を得るといったビジネスを確立しました。そのため、船をたくさん所有していることにつながっているのです。
今回は、船をいちばん持っている国はどこか、を考えました。