貴殿のふとした疑問に答えるブログ

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世界最長の防御がない国境ってどこの国?

国境を超える時、テンションが上がりますよね。といっても日本は島国で、陸上における国境がありませんので、外国に行かないと国境を超える経験はできません。だいたい国境では検問所などあり、不審者や不法入国者などが入らないよう警備員が配置され、なんとなくピリピリした雰囲気が漂います。しかし、長い国境線を持ちながら武器による争いが一度もなかった国境があります。今回はその点を考えます。

 

その国とは、アメリカとカナダです。両国は仲が良いイメージがありますね。アメリカとカナダの国境は8,891kmにも及び、世界一国境の長さがあります。アメリカは飛び地にアラスカ州もあり、2,475kmの国境線の長さも含まれています。

 

アメリカはメキシコとも国境を接していますが、カナダとは違い、連邦国境警備隊によってパトロールされており、厳重に警備されています。メキシコからの密輸や密入国を防ぐことを目的とした壁も一部設置されています。

 

アメリカとカナダの国境は「世界最長の防御が無い国境」と言われています。とは言うものの、これは軍事的に見て争いが無いという意味で、文民の法執行機関による警備は存在しています。入国管理や犯罪者の逃亡を阻止等のために警備員がいます。でもメキシコに比べて格段に警備が緩いということです。アメリカとカナダはさほど経済格差がありませんので、その点も関係しているでしょう。

 

両国は、元をたどれば同じアングロサクソン系(イギリス)の住民やフランス系の住民が入植したという共通の歴史があります。アメリカはイギリスとの独立戦争で13の州がアメリカ合衆国になります。一方カナダは、フランスの植民地だったころに、独立戦争に敗れたイギリスの王党派が入植してカナダ連邦になりました。本来先住民が住んでいた北米に、ヨーロッパ人がやってきて勝手に北緯49度に国境線を引いてしまったのです。

 

両国の国境は太平洋岸のジョージア海峡からウッズ湖までが北緯49度で、直線の国境となっています。大昔であれば、川や山で国境線が引かれますが、この頃になると緯度経度を測る能力を持っていたため、両国合意のもと分かりやすく49度に線を引いたのです。ちなみにアラスカ州とカナダとの国境線は西経141度線です。

 

直線の国境、これはアフリカの国境も同じで、ヨーロッパ人が勝手に線を引きました。アフリカで暮らしていた部族やその文化を考慮することなく、経線&緯線に沿って国を分け合ったのでアフリカ諸国の国境線は直線となっています。同じ直線の国境でも、アフリカの国境の方は防御が必要な国境が多そうですね…

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