生き物であれば必ずウンチやおしっこをします。便意や尿意をもよおした時はトイレに行って、出したものを流して終わりですが、ウンチやおしっこはどこに向かうのでしょうか。
結論から言いますと最終的には川や海です。といっても下水が海に直結しているわけではありません。ちゃんと処理されてから流されます。その処理する場所を下水処理場と言います。聞いたことありますね。他に終末処理場とか浄化センターとも呼ばれています。ちなみに私が住んでいる場所では終末処理場ですが、最初は下水処理とは知らなかったので、どんな恐ろしいことが行われているんだろう、と考えたことがありました。
もしかしたら、疑問に思ったことがあるかもしれません。それは、下水処理場よりも標高が低い場所にある家の下水は、どうやって下水処理場まで流れるのか？という点です。歩道を歩いていると「下水」と書かれたマンホールがあります。そこを開けると筒の上半分が切られた状態の管が見えます。タイミングが合えばその管からウンチやティッシュが流れてくるのが分かります。
別に何かに吸われて流れているわけではなく、勾配によって流れているのです。簡単に言えばプールにあるスライダーのように流れていくような感じです。ですから、下水処理場は海の近くなど標高が低いところに建設されることが多いです。でないと勾配を利用することができなくなるからです。だいたい2‰（パーミル）の勾配が付いています。2パーミルは、2/1000の意味で、1000メートル進むと2メートル下がる勾配を示します。
勾配がきつくても流れが早すぎてしまいますし、緩すぎても下水が流れないので、下水配管の設計と設置は難しいらしいです。そして下水処理場よりも標高の低い場所に住んでいる場合や、勾配が得られない場合、途中でポンプ場に下水が集められて、下水をポンプでくみ上げていきます。地図を見ると地域のあちこちにポンプ場があるのが分かります。ポンプ場でくみ上げることで勾配を稼いでいるのです。
そして最終的に下水処理場までやってきたウンチやおしっこは、バクテリアなどの微生物が下水の汚れを食べることで、下水をきれいに処理してくれるのです。その後、河川や海に流されて行きます。このようにウンチやおしっこはウォータースライダーに乗って長旅をして行くんですね。ご苦労様です。
