「城にこもっているだけで守る側に勝ち目なんてあるの?」という意見を聞くことがありました。確かに籠城する側は兵も少ないので、最後の悪あがきにしか見えないかもしれませんが、援軍が来てくれれば形成逆転となり相手を追い詰めることもできます。ですから攻める方は、敵の援軍が来る前に目の前の城を落としてしまいたいのです。ではどのような方法で堅固に守られた城を落としたのでしょうか。いくつか代表的なものをピックアップしたいと思います。
・正攻法
これは正面から武力で攻撃する方法です。味方の犠牲を覚悟の上、強引に城を攻める「強襲」があります。よほど攻め手の兵力が大きくないと難しい作戦です。自分たちのダメージも大きくなるからです。
また、正攻法の中には「奇襲」もあります。守備側の油断をついて城に侵入する攻め方です。犬山城の戦いなどがそれにあたります。犬山城の裏は木曽川が流れていて川を天然の堀としていましたが、川から攻めてきた池田恒興に対応できず落ちてしまった出来事です。
・兵糧攻め
これは秀吉がよく使った方法で、時間はかかりますが相手の食料補給を絶ち、武力を使うことなく降参させる戦法です。三木城攻めや鳥取城攻めが有名です。餓死者もたくさん出ましたので残酷な方法でもあります。
・水攻め
これも秀吉が得意とした戦法です。備中高松城が有名ですね。城の近くを流れている河川をせき止めて城の周囲に水を引き入れる方法です。それによって城を水没させます。周囲の地形をうまく使った攻め方です。ただ土木工事が必要になるのでお金がかかります。
・乾渇(かつえ)攻め
城の飲料水を絶つ方法です。水が無いと数日で人間は死んでしまいますので、籠城する側はたまらなくつらいですね。柴田勝家が守っていた長光寺城が乾渇攻めを食らいましたが、水が無くなる前に打って出て勝利をおさめました。なら最初から籠城しなくても良かったんじゃないかと思ってしまいます。
・火攻め
よく使われた方法で、城に向かって火のついた矢を放ち焼き討ちにする方法です。昔の建物は木造でしたので火攻めはかなり有効だったようです。
・もぐら攻め
これは城までトンネルを掘って城内に入り、攻撃の突破口を開いたり、建物の下に爆弾を仕掛けて壊すことなどしていました。また水源を絶つためにもぐら攻めを行なってもいます。武田信玄が得意としていた戦法です。信玄の領地には金山が多くあり、鉱山で働く人を戦場に連れて行って、鉱山掘りの技術を城攻めに活用していたのです。
今回は城攻めについて考えてみました。戦国時代にはいろいろな方法を用いて城を落としていたんですね。城を攻めるにも頭が良くないといけないようです。