世界的に見ても長時間労働が一般的と言われている日本。確かに朝から晩まで良く働いていますよね。それはなぜでしょうか。まず、日本の労働環境の根底には何があるのか、その理由について考えてみたいと思います。
教育システムの影響
日本の教育システムは、学校におけるルールやマナーの徹底など、集団での生活を重視したものです。そのため、社会に出てからも、ルールを守り、集団で働くことに慣れているという人が多いのです。また、学校での勉強や部活動など、長時間何かをすることに慣れているという人も多いですよね。知らず知らずのうちに身に付いていたことだったのです。
労働者のモラルの高さ
日本では、自分の職務に対して責任を持ち、誇りを持って働く人が多いです。また、上司や先輩に対して敬意を払うことも重要視されています。このようなモラルの高さが、長時間労働の要因となっているのかもしれません。
長時間労働の背景には、終身雇用や年功序列などの制度も関係しているでしょう。安定した雇用環境が保たれているため、会社のために尽くそうという思いが出るのだそうです。こういう考えは昔に比べて少なくなったとはいえ、今でも会社のために尽くすという考えを持っている人は一定数います。
しかし、こうした長時間労働がもたらす問題も当然ながらあります。過労死やうつ病など、健康上の問題が起こることもあります。また、労働時間が長いために、家庭やプライベートな時間を確保することが難しいという問題もあります。こういった問題が降りかかると、何のために働いているんだと考えてしまいますよね。
こうした問題を改善するために、日本では働き方改革が進められています。具体的には、労働時間の短縮や、フレックスタイム制度の導入、テレワークの普及などが行われています。また、働き方改革推進法の制定により、企業が働き方改革を推進することが求められるようになりました。
このように、日本は良く働くと言われる一方で、過労死や健康上の問題が起こることもあるため、働き方改革が早急に必要とされています。日本人は長時間働くわりに生産性が高くないからです。
日本人が長時間労働に慣れていることや、労働者のモラルの高さ、安定した雇用環境などが、良く働く要因として挙げられることは間違いありません。しかし、それが良いというわけではなく、のんびり仕事を行なうのもゆとりを持った人生につながりますし、家族や自分の時間を確保するのも有意義な人生を送るうえで不可欠です。どうしたいかは自分次第かもしれません。