貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで江戸時代は陸運より海運の方が盛んだったの?

現在は、多くのトラックが走っていて荷物を運んでいますが、昔はそうではありませんでした。陸で物を運ぶよりも海を使う方が多かったのです。それはなぜでしょうか。今回はその点を考えてみたいと思います。

 

地理的要因

昔から日本の交通は陸運と海運の両方が存在しましたが、日本は四方を海に囲まれた島国だったため海運業がとても盛んでした。加えて日本列島は山がたくさんあったため、陸路で物を運ぼうとすると急峻な峠を越える必要があります。人力で運べる量は限られていますし、街道も整備されていません。この地理的条件が、海運の発展に大いに寄与したのです。町中には多くの水路が存在し、海から内陸部に物を運ぶには水路を使うことで効率的に人や荷物を運ぶことができました。そのため物流や人の移動において海運が選ばれることが多かったのです。

 

経済的要因

江戸時代は、豊かな商業都市である江戸(現在の東京)が栄えていました。江戸は政治の中心地であり、商業の拠点でもありました。このような都市の発展に伴い、海運は商業活動の根幹となり、日本各地との物流を支える重要な手段となりました。大阪と江戸を結ぶ菱垣廻船(ひがきかいせん)が有名ですね。また、海外との貿易も盛んであり、貴重な品や情報が船で運ばれていました。

 

交通インフラの整備

江戸時代には、海運を支えるための港や水路などのインフラが整備されました。例えば、神奈川県にある横浜は、外国船との貿易港として発展しました。また、運河や川も活用され、内陸部から海への物資の輸送が円滑に行われるようになりました。これらのインフラ整備により、海運はより効率的かつ安定した手段となったのです。現在の東京を見ると、大小さまざまな河川があることに気付くのではないでしょうか。

 

海運のメリット

海運は陸運と比較して、いくつかのメリットを持っていました。まず第一に、大量の物資を一度に運ぶことができたため、経済的にも効率的でした。また、海上では陸地の制約を受けず、直線的なルートで航行することができたため、陸路よりも早く到着することができました。さらに、荷主は海上での盗難や略奪から比較的安全であると考えられていました。これらのメリットが海運の発展を後押ししました。

 

このように、江戸時代において海運が陸運よりも盛んだった背後には、地理的条件、経済的要因、交通インフラの整備、そして海運のメリットがありました。海運業が盛んだったこともあり、その後の日本の経済と文化の発展に大きく寄与したのです。

にほんブログ村 教育ブログ 社会科教育へ
にほんブログ村