貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

電子レンジの原理を開発したのは日本海軍だって知ってた?

私たちの身の周りにあるスマホ、カーナビ、赤外センサー、お掃除ロボット、レトルト食品など、もとは軍事技術を応用したものです。歴史をさかのぼれば、飛行機や腕時計も戦争で利用するために開発されました。戦争によって私たちの生活が便利になっているのはなんとも皮肉なことです。

 

戦前、日本は技術後進国でした。それでも今の私たちの生活に欠かすことのできない技術を開発しています。それは電子レンジです。食べ物を温めたり、冷凍食品を解凍したりと便利な調理器具で、どこの家庭にもあると思います。電磁波によって食品に含まれた水分を蒸発させて調理する器具は、アメリカの軍需生産メーカー、レイセオン社が1945年に特許を取得して製品化しました。

 

しかし、その原理は大日本帝国海軍が1944年に発見しており、海軍技術研究所と島田実験所(現在の島田理化工業)によって密かに兵器として利用することを考えていました。

 

戦争も終わりに近づくにつれアメリカ軍が優勢になり、日本の各都市にアメリカの爆撃機B-29が爆弾を落としていきます。B-29には戦闘機も高射砲も届かなかったので、電磁波を照射してこれを撃墜させる光線兵器を作ります。マイクロ波をB-29に照射して遠隔攻撃をするための兵器を「Z兵器」と呼んでいました。

 

完成した電磁波装置を用いてサツマイモに照射したところ、食べごろのふかし芋になったと言われています。この時点で調理器具としてはほぼ完成していますね。その後、5mの距離からウサギに照射し、死に至らしめることも成功したが、それ以上大型化することができませんでした。

 

5mの距離でやっと殺傷効果が認められる程度では、1万mもの上空にいる飛行機を撃墜することは不可能です。そのため兵器としての開発は断念せざるをえませんでした。

 

その後、アメリカを皮切りに日本でも電子レンジが商品として売り出されることになりました。最初は高価で売れませんでしたが、次第に火を使わないで、ボタンだけで料理を温めることができる便利さが世間にも認知され、少しづつ売れるようになっていきました。

 

昔は家族そろって食卓を囲み、揃って食事をするのが当たり前でしたが、現在では、核家族化とそれぞれがそれぞれのものを食べる個食が多くなってきたことから、電子レンジは大いに重宝されるようになったのです。

 

人類は戦争によって進化したという言葉は、あながち嘘ではないようですね。

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