貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

飛行機の最大の天敵とはなに?

飛行機に乗っていると、グラグラ揺れた時には生きている心地がしないものです。強風が吹き荒れると離着陸も難しくなりますし、何よりも飛行機が墜ちないか不安になりますよね。しかし、風よりも怖いものがあります。それは「鳥」です。ジェットエンジンが鳥を吸い込んでしまうと、エンジンに致命的な傷を与えてしまうのです。鳥がぶつかることを「バード・ストライク」と言います。

 

実際、バード・ストライクによって飛行機が墜落した例もあります。墜落まではいかなくても、エンジンが停止した結果、不時着を迫られた例もあります。有名なのは、映画「ハドソン川の奇跡」のモデルとなったUSエアウェイズ1549便があります。カナダガンの群れと衝突した結果、2つのエンジンが停止してしまい、ハドソン川に不時着しました。

 

日本においてもフライトがキャンセルになったり、機体が破損したりする事例がたびたび起こっています。2023年時点の鳥衝突件数は日本だけで1463回に及びます。一番多かったのは羽田空港の125件で、次いで那覇空港の66件、新千歳空港の64件、福岡空港の47件、伊丹空港の46件、成田空港の43件、関西空港の43件、熊本空港の36件、仙台空港の35件、佐賀空港の32件となっています。羽田空港や那覇空港のバード・ストライクが多い理由としては、発着数の多さに加え、海が近いため海鳥が多くやってくるからです。

 

これらの事故は離着陸時が多いです。すなわち滑走路付近でぶつかることが多いということです。であれば空港付近から鳥を追い払えばいいのではないでしょうか。でもそれが難しいのです。世界中の空港で鳥を追い払おうと工夫を凝らしていますが、効果的な手段がなく、解決には至っていないのが現状です。

 

航空会社側も様々な工夫をしています。羽田など主要な空港にはバードパトロールを配置して、一日に何度も巡回し、散弾銃の空砲や爆竹の音で鳥を追い払っています。また、車載スピーカーから鳥の苦しむ鳴き声を流したりもしています。さらに、鷹匠とハヤブサを使って鳥を追い払おうと試みたこともあります。これらは一時的には効果がありますが、時間が経つと再び戻ってきてしまいますので、いたちごっこです。

 

普段、飛行機に乗っていてもバード・ストライクの事なんか考えていません。しかし、事故を防ぐために職員が対処をしていて、私たちが安全に空の旅を楽しめるよう頑張っているんですね。感謝です。

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