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なんで機内ってあんなに乾燥しているの?

皆さんは、海外旅行に行くときに飛行機に乗ることが多いと思いますが、その際に気分が悪くなったり、喉が痛くなったりする経験はないでしょうか。これは、飛行機の中が非常に乾燥していることが原因の一つです。機内ではジメジメしていることはありません。では、なぜ飛行機の中は乾燥しているのでしょうか。今回は、そのメカニズムと対策について考えたいと思います。

 

飛行機の中は乾燥するのは、エアコンの仕組みに関係しています。飛行機は地上から高度1万メートル以上の空間を飛びます。外はものすごく寒く、その高度では気温がマイナス50度以下になります。しかし、機内は常に20度前後の快適な温度に保たれています。これは、エンジンから出る高温の圧縮空気をエアコンで冷却して機内に送り込むことで実現されているのです。

 

しかし、この過程で問題が起こります。高温の空気を急速に冷却すると、空気中の水分が凝結して水滴になります。この水滴は飛行機にとって天敵で、エアコン内部で凍結したり、機体や電子部品に付着して腐食や故障の原因になり得るのです。そうならないために、エアコン内に水分除去装置を設置して、水分を取り除いてから機内に風を送り込んでいます。このため、機内は20度前後の快適な温度になりますが、同時に空気は非常に乾燥してしまうのです。

 

機内が乾燥すると、人間の体にも悪影響があります。喉や鼻の粘膜が乾燥すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。また、体内の水分量が減ると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなります。これはエコノミークラス症候群と呼ばれる重大な病気です。海外旅行のように長時間乗っているほどリスクがあります。

 

では、どうすればよいでしょうか。一番簡単な方法は、水分補給をこまめにすることです。飲み物を持ち込んだり、キャビンアテンダントに頼んだりしてください。また、着用する服や靴もゆったりしたものを選ぶと良いでしょう。さらに、座席で足首を回したり立ち上がって歩いたりすることで血流を改善することも効果的です。

 

最近では、乾燥問題を解決した新型機も登場しています。ボーイング787は2011年から就航しましたが、この機種は複合材料を使っており、血栓症発症を防ぐために、より地上に近い気圧環境や湿度を保つことができるようになりました。少しづつ機内の環境は良くなってはいますが、それは一部の機体ですので、乾燥対策をした方がよいかもしれません。

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