貴殿のふとした疑問に答えるブログ

ふと疑問に思う「なぜ?」「どうして?」「〇〇って何?」に答えるブログです。

なんで日本には寝台バスがないの?

ベトナムの寝台バス

日本の高速バスは年々豪華になっており、とりわけ夜間走る高速バスは、快適な睡眠がとれるようにシートに工夫が重ねられてきました。でもゆっくり寝そべることのできる寝台バスは存在しません。フルフラットになれれば快適ですし、人気もでそうですよね。あっても良さそうなのに存在しないのはなぜでしょうか。

 

理由は、日本の法規制によってフルフラットになれる寝台バスを認めていないからです。しかし、かつては試験的ではあるものの寝台バスが認められていた時代がありました。今から半世紀以上前の1960年、札幌市営バスに日本初の寝台バスが誕生します。この時は高速道路がなかった時代のことです。

 

札幌市営バスは札幌~函館、札幌~稚内、札幌~網走の3ルートに寝台バスを試験導入しました。車内は中央の通路を挟んで、上下2段式の寝台となっていました。しかし、そこに落とし穴がありました。2段式にしたために上部が重くなり、不安定になってしまったのです。それによって横転事故を起こしてしまいました。

 

この事故があったので日本において寝台バスの導入は見送られることになったのです。もし現代において2段式寝台がOKだったとしても、日本の場合は高さ制限があるので狭い空間で過ごすことになりそうです。

 

現在の日本の高速バスは通常のシートであれば120度、目いっぱい倒せるシートでも156度となっています。飛行機のビジネスクラスで160~170度なので、睡眠の快適さという点では飛行機に及びません。

 

でもフルフラットとまではいかなくても、ビジネスクラス並みに170度くらいまで倒すことはできないのでしょうか。そうすることは可能ですが、160度まで倒れるシートを導入しようとするとコスト的に見合わないようです。つまり客席数を減らさなければならなくなるということです。その分値上げすれば、こんどは低価格という高速バスの最大のメリットが失われてしまうでしょう。そういった意味で寝台バスはこれからも登場することは無さそうです。

 

しかし海外では寝台バスは走っています。国土の広い中国やインドや東南アジアなどは寝台バスが当たり前のように走っています。上下2段式のバスも走っていますので走行時の不安定感は否めませんが、国民の足として毎日走っているようです。

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