ちょっとした疑問に答えるブログ

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深夜バスは増えているのに、寝台列車は減っているのはなぜ?

寝台列車とは、夜から翌日の朝にかけて運転される列車で、「寝台」と書かれているように、車内にベッドを設けて寝られるようにしたものです。かつては九州、近畿、北陸、東北など全国各地で多数の寝台列車が運転されていましたが、現在は毎日運転されている定期列車は東京~出雲市間を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」と、東京~高松間を結ぶ寝台特急「サンライズ瀬戸」の2本だけになっています。

 

一方、深夜バスとは、夜から翌日の朝にかけて運転されるバスで、座席を倒して寝られるようにしたものです。最近では、3列シートやカプセル型など様々なタイプの深夜バスが登場しており、全国各地で多数の路線が運行されています。

 

では、なぜ深夜バスは増えているのに、寝台列車は減ってしまったのでしょうか。

 

高速交通の発達:

寝台列車が盛んだった時代は、新幹線や飛行機がまだ発達しておらず、長距離移動に時間がかかっていました。そのため、夜間に移動して時間を節約できる寝台列車が重宝されていました。しかし、新幹線や飛行機が延伸や増便されるとともに、所要時間が短縮され、昼間に移動することが可能になりました。また、LCC(格安航空)や高速バスなど安価な高速交通も登場しました。これらの高速交通の発達により、「夜行列車の利点を生かせる区間」が減ってしまったのです 。

 

コストパフォーマンスの低下:

寝台列車は、座席よりも居住性を高めるために定員を減らしています。そのため、寝台料金は高く設定されており、自由席特急料金に加えて数千円から数万円もかかります。一方、深夜バスは座席数を多く確保できるため、料金を安く抑えられます。また、規制緩和により競争が激化し、さらに安い料金で提供するバス会社も現れました。これらのことから、コストパフォーマンスの面で寝台列車は深夜バスに劣ってしまったのです。

 

車両の老朽化と更新の困難:

寝台列車は、一般的な列車よりも複雑な構造をしており、メンテナンスや修理にも時間や費用がかかります。また、寝台列車専用の車両は、他の列車に流用できないため、需要の減少に対応できません。さらに、寝台列車の需要が減っていることから、新しい車両を開発することも困難になっています。これらのことから、寝台列車は老朽化した車両を使い続けるか、廃止するかの二択に追い込まれてしまったのです。

 

以上が、深夜バスは増えているのに、寝台列車は減っているのはなぜかという疑問に対する答えです。移動手段としての競争力はなくなりましたが、寝台列車には鉄道ファンや旅情を求める人々からの支持はあります。今後は、観光やイベントなど特定の目的に合わせた臨時列車やチャーター列車などで寝台列車が活用されるのを願うばかりです。

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