皆さんはテレビなどで映される中国の各都市にどんなイメージを持っているでしょうか。個人的な意見としては、どの都市も高層ビルが林立していて、都市の違いがよく分かりません。実際、中国の各都市sにはかなりの高層ビルが建っており、他の国を凌駕しています。セメントの使用量を見るとよく分かります。
世界で最も多くのセメントを生産している国は中国です。2020年には、中国の3年分のセメント使用量がアメリカの101年分を超えていることが報じられています。アメリカは100年間の間で45億トンのセメントの使用量です。では中国はというと、たった3年間の間で66億トンものセメントを使用しているのです。尋常ではない量ですね。高層ビルを建てるためにはクレーンが必要になるわけですが、世界の50%以上が中国で稼働しているとも言われているほどです。
中国が大量のセメントを使用する理由は、建設ブームによる需要の増加によるものです。急速な都市化と工業化によって、大規模なインフラの建設が行われてきました。中国政府は経済成長を促進するために、公共事業に多額の投資を行っており、これらの投資は、道路、橋、ダム、発電所などの建設に反映されているのです。
セメントが大量に使われているのは高層マンションや高層ビルです。これらの不動産開発が中国の経済をけん引してきました。なぜ不動産かと言うと、他の業種への経済波及効果が高いからです。マンションやビルを建てるとなると様々な業種が関わってきます。だいたい50業種程度が関係すると言われていて、内装品や配管、木材や鉄骨、エレベーターや外壁塗装など様々な業種が必要になります。
マンションやビルを建てれば建てるほど、こういった他の業種にもお金が回ります。そうなると、また他の業種にもお金が回っていき国の経済が成長していくのです。そのため中国はたくさんの高層ビルを建てていったのです。しかし、最近では不動産バブルがはじけようとしています。つまり需要に対して供給が多すぎたためゴーストマンションやテナントが入らないビルが中国全土に現れるようになりました。
もし不動産バブルがはじけたら、当然中国経済は悪くなり、市民は不動産を購入しなくなります。そうなると今まで経済をけん引してきた不動産業界はピンチになり、さらに経済は悪化します。最近の中国は不動産業界の経営が傾き始めているので、日本の80年代後半から続く不況が自分たちにも降りかかるのではと気にし始めているのです。ということで、今後の中国の高層ビルの建設ラッシュは落ち着いてくると言えるでしょう。